ゲームウィナーを決めて『王冠』パフォーマンスを披露
レブロン・ジェームズはラプターズ戦で自身の連続2桁得点記録が途絶えたことを気にせず「勝つために正しいプレーをするのが僕だ」と語った。しかし、正しいプレーを否定はしないにせよ、チームが勝つための方法論として『自分が主役になる』ことが健在だとアピールしたい気持ちは彼の中に脈打っていたのだろう。
だからこそ、現地12月7日のセブンティシクサーズ戦で勝利を決定付けるシュートを決めた彼は、特別な感情を露わにした。
第2子の誕生を見届けるためにスロベニアに帰っていたルカ・ドンチッチとともに、坐骨神経痛のためにセルティックス戦を休養したレブロンも復帰。この試合でドンチッチは長旅の疲れも見せずに第1クォーターだけで10得点5リバウンド4アシストを記録。その後も好調は続き、31得点15リバウンド11アシストのトリプル・ダブルを記録した。
そしてレブロンは87-84と3点リードで迎えた第4クォーターにその勝負強さを発揮した。ゲイブ・ビンセント、デアンドレ・エイトン、八村塁の得点を次々とアシストすると、一度呼吸を整えるためにベンチに下がる。残り5分半でコートに戻った後、4本のシュートを沈めて10連続得点を記録した。
残り27秒で決めた勝利を決定付けるジャンプシュートは、クエンティン・グライムスの決死のディフェンスをかわして決めたもの。このシュートがリングに吸い込まれるのを見届けると、レブロンは手のひらをコートに近付ける「小さすぎる」のジェスチャーをした後、両手に掲げた王冠をかぶる仕草を見せて、キング健在をアピールした。そしてお得意のサイレンサー・セレブレーションまで披露した。
112-108でシクサーズを振り切った試合後、コートインタビューに応じたレブロンは興奮冷めやらぬ表情で語った。「あの状況で何をすべきかは分かっていた。完璧に遂行できたよ」
34分のプレーで29得点7リバウンド5アシストを記録。フィールドゴール17本中12本成功と、極めて効率良く得点を決めた。クラッチタイムの勝負強さも『全盛期レブロン』のそれだった。
「休養を取れたのが幸いして、今日はすごく調子が良かったんだ。午前のシュートアラウンドの時点で良い感触だったし、試合が始まっても調子の良さを感じていた」とレブロンは言う。
「オースティン(リーブス)は疲れていて、今シーズンずっと見せていたリズムに乗れていなかった。ルカは新生児と一緒に長距離の移動をこなして、精神的にも身体的にも疲労があって当然だ。だから調子の良かった僕が、オフェンスでいつもより少し自己主張してみた。もし2人が思うように調子が上がらない時、支えが必要な時には僕がやる。その機会があったように感じた」
