クリス・ポール

深夜の投稿「家に送り返されることを今知った」

クリッパーズは現地12月3日、クリス・ポールの解雇を発表した。その日の未明にはポール自身がSNSに「家に送り返されることを今知った」と投稿している。今夏、ポールは8年ぶりのクリッパーズ復帰を決めたが、そこは『家』ではなかった。

現地1日のヒート戦を終えて、チームはホークス戦に向けてアトランタへと向かった。そこでポールは解雇を告げられ、そのままチームを離れることになった。

この発表に対する反響は大きく、その大多数がクリッパーズへの批判だった。ポールは40歳で、今シーズン限りでの現役引退を発表しているが、戦力として使えないわけではない。昨シーズンはスパーズで全82試合にスタメン出場。全盛期ほどの試合への影響力はないにせよ、いまだリーグ屈指のスキルとバスケIQを持つポイントガードだ。

さらに言えば、ポールはクリッパーズの功労者であり、その背番号3は球団史上最初の永久欠番になる可能性が高かった。だが今回の解雇で、それもなくなるだろう。

反響の大きさを見て、クリッパーズのローレンス・フランク球団社長は「チームの成績不振が理由ではない。クリス・ポールをスケープゴートにしたわけではない」と釈明した。

クリッパーズは5勝16敗とスタートダッシュに失敗。シーズン序盤の今はまだ巻き返せるとしても、厳しい状況にあるのは間違いない。「これは我々が慣れ親しんだクリッパーズのバスケではない。責任はあくまで私にある。より一層の集中と粘り強さを持って戦わなければいけない。我々はもっと良くなるポテンシャルがあり、実際に良くなるはずだ」

しかし、球団社長がどう言い繕おうと、NBAの歴史に残るポイントガードにしてクリッパーズの功労者であるポールのラストシーズンを台なしにしたのは間違いない。

複数のメディアが、クリッパーズがポールを切り捨てたのは、勝てないチームの運営に対してポールが意見をしすぎ、それを首脳陣が嫌ったからだという。特にヘッドコーチのタロン・ルーとポールは、もう何週間も口を利かない状態にあったそうだ。

フランク球団社長はルーについて「このリーグで最高のコーチだ」と明言して、こう続けた。「結果的に上手くいかなかったが、我々は今後もチームにとって正しい選択をしなければならない。クリッパーズは素晴らしい組織だと私は今も思っている。これまで様々なロスターで大きな成功を収めてきて、クリスはその大きな部分を担ってくれた。だが今は次のチーム編成をする段階なんだ」