『B.LEAGUE Hope』と日本バスケットボール選手会の活動として、岩手県の陸前高田市で復興支援活動を行った選手たちの中に、新潟アルビレックスBBの今村佳太の姿があった。「選手会の活動に参加するのは今回が初めてです。僕も子供たちに笑顔を与えられる選手になりたいと考えるようになって、参加させてもらいました」と率先して活動する彼に、不祥事のシーズンから再起を図る気持ちを語ってもらった。
「チームを一から作り直す中で、僕が頑張りたい」
──東日本大震災の時には、今村選手自身はどんな経験をしましたか?
僕は大丈夫だったんですけど、被災した友人もいましたし、被災して僕の高校に編入してきた人もいたので、誰しもそうだったとは思いますが他人事ではありませんでした。被災直後の宮城に行って、ひどい状況も見ています。それでも今回、こうやって陸前高田市に来て、被災地について知らないことがたくさんあったんだと感じました。それと同時に復興が自分たちが思っている以上に進んでいることも分かりました。
──被災地の子供たちを対象にしたクリニックに参加した感想はいかがでしたか?
すごく元気が良くて、子供たちから接してくれました。大変なことがあったと思うんですけど、子供たちがたくましくて元気でいてくれることが復興の力になると思います。僕らも彼らの笑顔に元気をもらったと思います。
──今シーズンは不祥事でほとんどプレーできませんでした。ただ、終盤にコートに戻って来ると、長く試合から遠ざかっていたのに素晴らしいパフォーマンスを見せました。しっかりチームに溶け込んで、身体も動いていたのは、練習がちゃんとできていたからですか?
そうですね。練習自体はやらせてもらっていました。5対5になると見る方が多かったんですが、それも僕としては見ている期間にウチのバスケットボールへの理解を深められたと思っています。練習させていただいていたのでコンディショニングの部分もそうですし、何よりもチームメートのみんなが練習中でも溶け込めるようにしてくれたのがすべてだったと思います。
もちろん、期待してくださっている方は多いので、そういうプレッシャーはあると思いますが、僕にとってはバスケットボールができる幸せがすごく大きいので、今はチャレンジできること自体がすごくうれしいです。
──今オフにはダバンテ・ガードナー選手が移籍するという大きな戦力ダウンに見舞われました。この影響は計り知れないと思いますが、今村選手はどう受け止めていますか?
シーズンが終わってダバンテが自由交渉選手リストに載った時点である程度の覚悟はしていたんですけど、僕が入団する前からダバンテは新潟の中心選手で、ダバンテを核としてやってきたチームのスタイルはガラッと変わります。ダバンテがいない中でどう勝っていくのか、チームを一から作り直す中で、今シーズンはプレーできなかった僕が頑張りたいという気持ちはあります。中地区で優勝してチャンピオンシップに進出したので、ブースターの方々が期待するのはさらに上の成績だと思います。そこに自分としてもチームとしても挑戦していきたいです。
もちろん五十嵐(圭)さんと柏木(真介)さんが中心になっていくと思うんですけど、この新潟というチームを引っ張っていきたい気持ちは僕にもあります。迷惑をかけた分を、ではありませんが、その責任はあると思っているので、あの2人が中心になっても、分かりやすく言えば最後のシュートを決めきるのは自分だとか、そういう部分でチームを引っ張っていきたいですね。
──それでは、新シーズンはガードナー選手の穴を埋めるほど得点面で数字を残したい?
やっぱりダバンテがいて、五十嵐さんと柏木さんがいたので、僕は4人目のオプションになっていました。そこを覆したいという思いはあるので、結果で示すしかないと思っています。ただ、得点などのスタッツはもちろん残したいんですけど、チームが苦しい時にどれだけ活躍できるかが大事だと思っています。スタッツよりも、チームを救えるかどうか。そういう選手になっていくことが今の目標です。
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