Bリーグを選んだ理由「日本には多くの優れたポイントガードがいます」
B1はレギュラーシーズンの約3分の1となる18試合を終えてバイウィークに突入した。ここまでリーグを代表する躍進を遂げている滋賀レイクスは9勝9敗と、早くも昨シーズンの8勝を上回っている。
滋賀のステップアップにはさまざまな要因があるが、中でも注目したいのはチャイニーズ・タイペイ出身の若手ポイントガード、游艾喆の成長ぶりだ。昨シーズンは平均18分12秒出場、5.1得点、3.4アシスト2、3ポイントシュート成功率25.0%と目立った数字ではなかったが、今シーズンはここまで平均30分23秒、8.9得点、7.6アシスト、3ポイントシュート成功率39.6%と各種スタッツが大きく向上。現時点でアシストランキング1位、スティールも平均1.9で3位と、リーグ屈指の司令塔として攻守で大暴れしている。
バイウィーク前最後の試合となった横浜ビー・コルセアーズ戦で取材をした際、游は「昨シーズンに比べ、ケミストリーがよくなっています。オンコート、オフコート問わずに、どのようにプレーすべきかコミュニケーションをとっています。そしてコーチとの関係もより深まっています」と、ステップアップの秘訣について語っていた。
「アシストは自分の強みです」とパスへの自信を見せた游は、さらなる成長のことしか考えていない。「ここまで昨シーズンよりも良い成績を残せていますが、安心や満足はしていません。特にターンオーバーは開幕当初より増えています。今、アシストはリーグトップですが、これから多くのチームが僕のパスをさらに抑えようとしてくるかもしれない。もっと改善してより良い選手になっていかないといけないです」
游は滋賀レイクスに加入前、チャイニーズ・タイペイの学生ナンバー1ガードとして大活躍。代表チームの次代を担う1人としても注目されていた彼は、プロデビューの舞台でBリーグを選んだ理由を「Bリーグは、アジアの中でもトップ3の競争力を持ったリーグだと思います。そして日本には多くの優れたポイントガードがいます。だからこそ僕はこのリーグに挑戦したかったです」と語る。
取材時、游は日本とホーム&アウェーで対戦する『FIBAワールドカップ2027アジア地区予選』Window1に向けた16名の候補に選出されていた。そしてそこから選考レースを経て12名のロスター入りを勝ち取った。
彼は11月28日と12月1日に控える日本戦に向けての意気込みをこう語る。「代表に選ばれるのは光栄なことです。日本代表の選手のことは昨シーズンから対戦しているので分かっています。ただ、自分のことにフォーカスすることが大事です。相手のことに意識が向きすぎると、本来の自分のプレーはできないです。特別なことをするのではなく、いつも通りのプレーをして代表チームのためにベストを尽くしたいです」
日本はワールドカップ予選を勝ち抜くために、今回のWindow1でなんとしても連勝したい。日本をよく知る游は手強い相手として立ちはだかることになるが、国際化を促進するBリーグにおいて、日本代表の対戦相手にBリーガーがいることは大きな意味を持っている。Window1の2試合では日本代表だけでなく游のプレーぶりにも注目だ。
