
若野瑛太が前回決勝不出場の雪辱を果たす27得点
11月22日から5日間にわたって開催された『BリーグU18チャンピオンシップ2025』は26日に決勝戦が行われ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18がレバンガ北海道 U18を88-71で破り、連覇を達成した。
名古屋Dの先発は若野瑛太、南ルマニカサイディ、小川莞大、春田結斗、川邉蒼侑。北海道は中川稟太郎、木村颯太、西村優真、新田航大、安藤煌太朗のラインナップでスタートする。北海道は開始からディフェンスの強度が高く、名古屋Dからスティールを奪い0-4のスタートダッシュに成功する。しかし、名古屋Dの嫌な流れを断ち切ったのはこの試合で27得点を叩き出した若野瑛太だった。若野がファーストショットで3ポイントシュートを沈めると、そこから名古屋Dは連続得点を決める。若野の2本目となる3ポイントシュートが決まり、約2分間で10-0のランに成功すると北海道にタイムアウトを請求させる。
試合はそのまま名古屋D優勢で第2クォーターに進む。お互いにスイッチディフェンスを多用しギャップを作れない中でも、名古屋Dは川邉や小川が緩急を使ったドライブやポストアップからターンアラウンドショットを決め、主導権を握らせない。北海道が仕掛けたゾーンプレスに対しても名古屋Dは落ち着いてプレスブレイクを実行。若野の連続3ポイントシュートなどで一気に点差を広げると、途中出場の佐藤駿が連続得点を奪い、小川がシュートチェックを冷静にかわしてブザービーターとなる3ポイントシュートを決め、46-32で前半を終了する。
後半に入っても名古屋Dのオフェンスは止まらず、開始から8-0のランに成功。20点差が開き、状況を変えたい北海道がタイムアウトを請求するも、タイムアウト明けすぐに春田が3ポイントシュートを決めて北海道を寄せ付けない。名古屋Dは小川のヘジテーションを使った緩急のあるドライブや、若野の体格を優位に使ったフィジカルなオフェンスで北海道を圧倒していく。第4クォーターに入り、リードを許している北海道はディフェンスの強度を上げてペースを上げたいが、前のめりになったところを名古屋Dがバックカットを有効的に使ってディフェンスを切り崩す。
メンバーを替え、終盤に入っても運動量の落ちない名古屋Dは連続でオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンス、サードチャンスと波状攻撃を仕掛ける。北海道も最後の気力を振り絞り連続スティールから得点を奪うが、名古屋Dは最後に3年生を全員コートに立たせる余裕を見せ、見事連覇を達成した。昨年の決勝の舞台に立てなかった若野は試合終了と同時に涙を流し、ユニフォームで顔を覆った。そして名古屋Dと北海道の選手たちは互いの健闘を称え合っていた。
敗れた北海道は前半8得点だった木村が22得点、西村は18得点、中川も15得点と3年生トリオが得点でチームを牽引したが、ディフェンス面で序盤で機能していたスイッチが徐々にズレ始める。逆サイドのディフェンダーがヘルプポジションにおらず、名古屋Dのプレーヤーがドライブでマークマンを振り切ると簡単にリムアタックを許してしまう状態が続いてしまった。しかし、試合終盤で点差が開いても最後までボールを追いかける姿は学生らしく素晴らしいものだった。
大会MVPにも輝いた若野は「日本一硬いディフェンスと日本一早いバスケット目指し、誰が出てもオフェンス、ディフェンスともに強度の落ちないバスケットができた」と優勝の要因を振り返った。また、若野自身も「日本一の高校生になれるように最後の数カ月を過ごしたい」とこれから残りのシーズンについて語った。
今シーズンのBリーグU18は、来年の2月まで続くエリートリーグ、ドイツやオーストラリア選抜チームを迎えたインターナショナルカップへと戦いは続いていく。それぞれのチームが今後も成長していく姿を見届けていきたい。

【最終順位】
優勝 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18
準優勝 レバンガ北海道 U18
3位 サンロッカーズ渋谷 U18
4位 大阪エヴェッサ U18
【個人賞】
◾️MVP
若野瑛太(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)
◾️ベストファイブ
若野瑛太(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)
川邉蒼侑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18)
西村優真(レバンガ北海道 U18)
棚橋康成(サンロッカーズ渋谷 U18)
浅井弘士郎(大阪エヴェッサ U18)
◾️MIP
安藤煌太朗(レバンガ北海道 U18)