八村塁はオフェンス面でより大きな役割を担うことに

2025-26シーズンの始動に際して「愛するこのゲームをもう1年プレーできることにワクワクしている」とレブロン・ジェームズが語ってから1週間が経過したが、彼はいまだにチーム練習に参加していない。そして、坐骨神経痛により始動がさらに3週間から4週間遅れることがレイカーズから発表された。これで彼はプレシーズン全試合を欠場し、さらにNBAキャリア23年目にして初めて開幕戦を欠場することになる。

数日前、レブロンは『Second Decision』という動画をSNSに投稿した。40歳の『生ける伝説』がレイカーズを離れて新天地を求めるのでは、あるいは現役引退発表かと大いに注目された。しかし結果は酒のプロモーションで、ファンの期待や信頼をスポンサーのために利用する、あまり格好良くはない行為だった。

これで失われた信頼はコート上の活躍で取り戻せばいいのでが、コートに立てないとなれば話は変わってくる。レブロンがチーム練習に全く参加しないトレーニングキャンプでは、ルカ・ドンチッチ中心のチーム作りが進むだろう。

レブロン不在のラインナップは以前では考えられなかったが、マーカス・スマートかジャレッド・バンダービルトがスモールフォワードの先発に入り、オフェンス面で八村塁がより大きな役割を担うことで当面チームは成り立つ。

このラインナップが機能して、レイカーズの開幕スタートダッシュに成功したら? レブロンは『ドンチッチのチーム』で脇役を受け入れることになる。

彼のプライド云々を別にすれば、それはチームにとって悪いことではない。82試合のレギュラーシーズンと、その先のプレーオフまで、そのすべてをアクセル全開で駆け抜けていきたいが彼は老いてしまった。キャバリアーズを優勝に導いた2016年にはそれが可能だったが、2020年にはアンソニー・デイビスのサポートを必要とした。2026年には、彼がドンチッチをサポートする体制が必要なのかもしれない。

健康さえ維持できれば、今もレブロンは特別な存在でいられる。そのための方法論はチーム内での序列を一つ下げることなのかもしれない。その一方で、エースとしてチームを引っ張る責任感と勝利への飽くなき意欲が、彼をここまで駆り立ててきたのだとしたら、それを失えば一気に老け込んでしまう可能性もある。

「この旅がどんな展開になろうとも全力で打ち込む。自分をどこまで追い込めるかというプロセスそのものを愛している」と語った通り、レブロンのバスケに対する姿勢が変わることはないだろう。ただし、彼を取り巻く環境は変わりつつあり、時代は動いていく。キャリア晩年を迎えたレブロンは、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。