田中力

田中力「A代表に一番近いこの合宿でどれだけできるか

6月13日から23日の日程で、日本代表の『第1次育成キャンプ』が実施されている。今後の継続的かつ将来的な代表チームの強化を目的とする今回のキャンプには、若手中心に20名の選手が集まった。

今回のメンバーにはノースカロライナ大学ウィルミントン校で活躍するテーブス海、 イースタンニューメキシコ大の榎本新作、またIMGアカデミーの田中力など、アメリカを拠点としてプレーする選手が多く含まれている。日本の大学生は授業の関係でなかなか参加できないが、アメリカの大学はオフシーズンであるため、ここで実力が試されることになる。

一方で日本代表を長年支える35歳の大ベテラン、太田敦也も精力的に練習に取り組んでいた。技術委員長を務める東野智弥によれば、本人自らが志願しての合宿参加とのこと。「センターの選手は数が少なく、シェーファー・アヴィ幸樹や山本浩太も4番をやらないといけないので」と、太田が若いチームを引っ張ってくれることをありがたがっている。「今は平均身長が195cmです。2メートルを目指す上ではこの選手たちでやっていく必要があります」と、東野委員長はサイズアップの重要性を語る。

太田敦也

「練習をしっかりやれば責任感も芽生えてくる」

今回はフリオ・ラマスが不在で、このチームのヘッドコーチはエルマン・マンドーレが務める。「サイズとタレントがある選手を揃えており、その期待に応えてくれている。新しい可能性を持っている選手を招集して、どんどん増やしていきたい」と、指揮官はタレント発掘への意気込みを語るとともに、「まず一日一日を全力を出して練習に取り組んでほしい。練習をしっかりやれば日本代表を背負っているという責任感も芽生えてくるので、それを全うしてほしい」と期待を語った。

日本の新しいタレントの代表格とも呼ぶべき田中力も、久々となる代表合宿について「A代表に入りたいので、そこに一番近いこの合宿で自分のプレーをできるだけ見せて、ここでどれだけ活躍できるかが楽しみ」と語る。IMGアカデミーで過ごした日々での収穫は「ガードとして良い判断ができるようになった」だそうだ。「中学生の時は得点だけでパスはあまりうまくなかった。シュートを我慢してパスをしたり、シンプルなバスケをしています」と自身の変化を語る。

国際経験豊富なベテランである太田を筆頭に、Bリーグで結果を出している安藤誓哉や安藤周人が引っ張るチームの中で、可能性に満ちた若手たちが切磋琢磨する。その環境の中で新しい才能が思う存分伸びていくことに期待したい。