Bリーグでプレー経験のあるボイキンSVCを起用

30勝30敗、勝率5割でフィニッシュしたシーズン後に待ち構えていたのは、激震だった。アシスタントコーチとしてチームに加入後、6シーズンにわたってヘッドコーチを務めた川辺泰三が退任。チームの得点源を担ったアーロン・ヘンリーと佐土原遼、バックアップガードの中村浩陸、守備職人の内尾聡理と主力の多くがチームを去った。

今シーズンは明確な生まれ変わりのシーズンとなる。昨シーズンまで大阪エヴェッサでアシスタントコーチを務め、選手としてもBリーグ経験を持つルーベン・ボイキンスーパーバイザーコーチを指揮官に据え、2021-22シーズンからFE名古屋のアシスタントコーチを務めたカルバン・オールダムがこれをサポート。さらにアメリカで腕を磨いた須藤タイレル拓、アジア枠のフランシス・ロペスといった活きが良く野心的な若手たちを迎え入れ、2021-22シーズンから3シーズンFE名古屋に所属したスコアラー、ジェレミー・ジョーンズが帰ってきた。

ボイキンスーパーバイザーコーチが目指すタフでスピーディはバスケットは、プレシーズンゲームを見た限り順調に浸透している。並里成、保岡龍斗、ショーン・オマラといった継続選手たちの経験に若手たちの勢いとエナジーが掛け合わさることで、どれだけ勝ち星を増やしていけるかが楽しみだ。

スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は10月2日時点のもの

ボイキンスーパーバイザーコーチが志向するスピーディなバスケを体現できる先発ラインナップだが、肉弾戦タイプのビッグマンが手薄な点は気がかり。昨シーズンに続いて出場時間が30分を超える試合が多数見込まれるオマラをシーズンを通してヘルシーにプレーさせるためにも、ジャモルコ・ピケット、そして身長193cmながらオマラと互角に戦えるファイターのフランシス・ロペスの貢献が不可欠だ。

所属選手一覧

※掲載内容は10月2日時点のもの

【キープレーヤー】

並里成
昨シーズンはコンディションが十分でない状態で開幕を迎えたものの、シーズンを終えてみれば60試合全試合に先発し、平均23.12分出場、7.9得点、4.3アシストと文句なしのスタッツを挙げた。ベテランの年齢となってもパフォーマンスは高まる一方。若手が多いチームをコート内外で牽引し、コート上の支配力をさらに高めて、一つでも勝ち星を増やすことに全力を傾ける。

【若手選手】

平松克樹
明治大在学中の昨年12月に特別指定選手(プロ契約)として加入したポイントガード。プレシーズンゲームでは並里、笹山に続く三番手で起用され、強度の高いディフェンスやスピーディなオフェンスでボイキンバスケを体現していた。並里、笹山というベテラン、そして同時期に入団した同い年の宇都宮陸と切磋琢磨し、成長したい。

【新加入選手】

須藤タイレル拓
高校卒業後『スラムダンク奨学生』として渡米し、近々はNCCAディビジョン1のガードナー・ウェブ大でプレーした24歳。アスレチック能力の高さと身長+26cmを誇る脅威のウイングスパンが武器で、184cmの上背から豪快なダンクを沈められる華やかさがある。攻守ともにBリーグのフィジカルに早く対応することが最初の課題となりそうだ。