
主力健在に加え若手の成長で厚みを増す
宇都宮ブレックスは昨シーズン、48勝12敗と圧倒的な成績でリーグ首位に立ち、勢いそのままに3度目のチャンピオンシップ制覇を達成。さらに『バスケットボール チャンピオンズリーグ アジア2025(BCL Asia 2025)』でも優勝を果たし、国内外で二冠に輝いた。シーズン途中にはケビン・ブラスウェル前ヘッドコーチの急逝という大きな試練に直面したが、「ケビンのために」という強い思いを胸に、選手・スタッフ一丸で困難を乗り越えた姿勢は、多くのファンの心を打った。
新シーズンはロスターの大きな変更はなく、ジーコ・コロネルヘッドコーチのもとで、長年培ってきたチームワークを最大の強みとして戦う。補強に頼らずとも、既存メンバー全員が成長し続けることで戦力を底上げし、さらなる高みを目指す。若手選手への信頼も厚く、世代交代を見据えた競争と融合がチームをより強固なものにしている。国内王者としての誇りと、アジア制覇の経験を胸に臨む今シーズン。宇都宮は連覇を視野に、磨き上げた結束力と成長力で再び頂点を狙う。
スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は10月2日時点のもの
村岸航が引退し、アメリカ出身の青木ブレイクを獲得してインサイドの厚みを増したものの、それ以外の選手に入れ替えはなし。チャンピオンシップを制した布陣がほぼそのまま継続される。軸は攻守にバランスの取れたベテラン勢。昨シーズンのチャンピオンシップで『Xファクター』として存在感を放ち、優勝に大きく貢献した小川敦也ら若手の台頭も見逃せない。経験豊富なベテランたちに続く形で、次世代を担う小川、高島紳司といった若手たちがどれだけ頭角を現せるかが連覇の大きなカギを握る。
所属選手一覧

※掲載内容は10月2日時点のもの
【キープレーヤー】

比江島慎
絶対的エースである比江島慎は、『比江島ステップ』とも称される独特なドライブを武器に、鋭い切り返しやタイミングの妙を生かしてゴールに迫り、3ポイントシュートや多彩な得点パターンで相手ディフェンスを翻弄。昨シーズンは58試合に出場し、平均25.09分で13.2得点、2.5リバウンド、4.2アシストを記録。2年連続でのベスト3P成功率賞(44.3%)を獲得し、4度目のレギュラーシーズンベストファイブにも選出された。「打ちづらい場面でも決めきる力がついた」と自身の成長を実感しており、ベテランとしての安定感に加え、なお進化を続ける姿はチームにとって大きな力となる。
【若手選手】

小川敦也
190cmのサイズを活かしたスピードあるドライブに加え、精度の高いボールハンドリングを兼ね備えるオールラウンダー。昨シーズンはレギュラーシーズン序盤こそ出場機会が限られたが、後半にかけてプレータイムを伸ばして成長を証明。チャンピオンシップでは1試合平均17分21秒の出場で6.9得点、2.3リバウンド、1.4アシストを記録した。D.J・ニュービル、比江島慎ら主力ガード陣の負担を軽減し、厚みを加えるキープレーヤーとして期待される。
【新加入選手】

青木 ブレイク
アメリカ出身、日本国籍を持つ大型パワーフォワード。昨シーズンはB3リーグの徳島ガンバロウズで、豊富な経験とフィジカルの強さを武器に、インサイドでの得点やリバウンド、ディフェンスで安定したパフォーマンスを発揮。9シーズンぶりの宇都宮復帰となる今シーズンは、アイザック・フォトゥやグラント・ジェレットと組むことで、チームのインサイドを支える重要な役割が期待される。特に守備面での安定感とセカンドチャンスを生み出すリバウンド、セットオフェンスでのスクリーンやスペーシングの貢献など、宇都宮の盤石な戦力をさらに厚くする存在となるだろう。