3ポイント成功率40%、フリースロー31本が勝因に

ドイツとフィンランドの顔合わせとなったユーロバスケの準決勝は、お互いに点を奪い合う展開となる中で、地力に勝るドイツが98-86で上回り、ファイナル進出を決めました。

先手を取ったのはフィンランドで、マークが強くなっているラウリ・マルカネンを使わずに、他の選手が積極的にアタックしていく形が機能しました。ドイツのディフェンスはマルカネンに対してスイッチやダブルチームをしてでも止めに行く形だったため、マルカネンが囮になるのが有効でした。

これに対してドイツはシュートミスが続いていたものの、第1クォーター後半にデニス・シュルーダーやアイザック・ボンガが3ポイントシュートを決めるとオフェンスの流れをつかみ、逆転に成功します。フィンランドのディフェンスはシューターのアンドレアス・オベストは徹底マークをする一方で、チームとしては収縮して守り、特にボンガはフリーにして打たせても良いという守り方だっただめ、ボンガがの3ポイントシュートは攻略の一手となりました。

ドライブをされると止めようがないフランツ・バグナーにも、できる限り外から打たせるよう誘導したのですが、バグナーは強引にでもドライブをしてファウルを引き出します。このバグナーのドライブに対しても、フィンランドのディフェンスプランは機能しませんでした。

劣勢になったフィンランドはマルカネンを中心に攻めようとしますが、これが逆にドイツからするとターゲットを絞ることができて守りやすくなります。高いシュート能力を持つマルカネンですが、起点役としてのパス能力が高いわけではなく、ドライブをしても複数人に囲まれる中で打つタフショットばかりが増えてしまいました。

ドイツの14点リードで始まった後半。なかなか流れが変わらない中で、マルカネンがベンチに下がるとフィンランドが息を吹き返します。特定のエースに頼らず、全員でボールを動かし、積極的なアタックをすることで、ドイツディフェンスが間に合わないシーンが増えていきました。これで点差を6点まで詰め、勝利への望みを繋ぎます。

しかし、ドイツは第4クォーター残り5分からオベスト、シュルーダー、トリスタン・ダ・シルバと3連続で3ポイントシュートを決めて点差を16点に広げると、そのまま危なげなく試合を決めました。ドイツは35本中14本成功と40.0%の3ポイントシュートと、22のファウルドローンから31本も打ったフリースローが勝因となりました。

これでドイツはグループリーグから負けなしでファイナルへ。今大会はセンターに欠場者がいたこともあり、スモールラインナップでの機動力とシュート力でオフェンスの戦いを制してきました。ファイナルの相手はアルペラン・シェングンを擁するトルコなだけに、どれだけ走り切れるかが重要になりそうです。