3ポイントシュート成功率を上げられるか

リーグ屈指の日本人ウイング今村佳太や、平均得点20.9得点を記録したルーク・メイを獲得し、リーグ屈指の攻撃力でシーズンを圧巻すると思われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズだったが、このシーズンより取り入れたファイブアウトの戦術がチームにフィットせず、混乱をきたす事態に。シーズン途中でのシステムの変更、そしてそれに対するアジャストに時間を取られチームの完成度を高めることができなかった。平均得点は82.1点でリーグ4位に位置したが、前評判からすれば納得のいく結果ではない。また3ポイントシュート成功率もリーグワースト5位で、こちらもメンバーの顔ぶれからすれば望んだ結果とは言えないだろう。

今シーズンは、得点能力が高く昨シーズンのB1スティール王にも輝いたアーロン・ヘンリーをファイティングイーグルス名古屋から獲得。アラン・ウィリアムズと帰化選手のカイル・リチャードソンの加入によってインサイドの補強にも成功している。ヘンリーのオフェンスの爆発力によって相手ディフェンスの意識が彼に向けば、優秀なシューター陣はより効率的に3ポイントシュートを打つことができるだろう。リーグNo.1を誇った速攻からの得点とハーフコートバスケットでの3ポイントシュート成功率の向上が実現すれば、アンストッパブルなオフェンシブチームへと変貌する。

スタッツ

予想スタメン

※掲載内容は9月30日時点のもの

各チームに優秀なポイントガードが在籍しているB1だが、齋藤拓実も日本代表に選ばれておかしくない実力者だ。昨シーズンは3月に足首を負傷するまで先発を任され、平均6.4アシストを記録したパスだけでなく得点能力の高さも折り紙付き。そこに、ウイングプレーヤーとしてスラッシャーの今村佳太とアーロン・ヘンリーが待ち受けるラインナップは強力の一言だ。帰化選手としてインサイドの一端を担うカイル・リチャードソン、安定したプレーを見せる在籍5シーズン目のスコット・エサトンもしっかりチームを支えてくれるだろう。

所属選手一覧

※掲載内容は9月30日時点のもの

【注目選手】

今村佳太
昨シーズンに加入した今村は、平均出場時間27.39分のプレータイムで13.3得点、3.2アシスト。チームが変わってもエースとしての実力をいかんなく発揮した。昨シーズンチームは3ポイントシュートが低迷したが、今村は前シーズンより個人の成功率を上げ、アテンプト数も増やすなど積極性に磨きをかけることに成功。オフシーズンにGリーグ選抜との試合も経験した彼の存在は、チームが優勝に輝くために必要不可欠だ。

【若手選手】

小澤飛悠
地元・愛知の中部大学第一高を卒業し、ホーム開幕戦が行われる10月4日に誕生日を迎える現在20歳。日本体育大在学中に出場した『関東大学バスケットボール選手権大会』で3年連続23回目の優勝に貢献し、自身も得点王と最優秀選手賞を獲得。身体が強く、内外ともにバランス良く得点を取れる190cmのフォワードで、アンダーカテゴリー日本代表経験も豊富。今夏もウィリアムズ・ジョーンズカップ代表としてプレーしている。

【新規選手】

アーロン・ヘンリー
昨シーズンまでに所属していたFE名古屋では平均33.04分のプレータイムで20.1得点、6.7リバウンド、4.6アシスト、2.4スティールを記録してB1のスティール王に輝いた。スタッツが表すようにディフェンス能力も高く、得点も取れて、ポイントガード並みにゲームコントロールをすることができる。齊藤と一緒にコートに立てば速い展開への期待値がさらに上がり、新たな風を吹き込んでくれるに違いない。