リック・カーライル

現役では最年長ヘッドコーチに

ペイサーズがリック・カーライルヘッドコーチと複数年の契約延長で合意したことが発表された。正確な年数については明らかにされていない。

ペイサーズのバスケットボール部門代表を務めるケビン・プリチャードは、次のように書面で語っている。「2021年ペイサーズに復帰した以降、コーチカーライルはイースタンカンファレンスファイナルの連続出場、25年ぶりとなるファイナル出場と私たちの成功において欠かせない存在となっています。NBA史上に残るコーチとしての功績に加え、自身の社会貢献活動を通じてインディアナ州への恩返しを続けてくれています。彼が今後もチームを率い、組織を代表してくれることをともてうれしく思います」

現在65歳のカーライルは、1997-98シーズンから3年間ペイサーズのアシスタントコーチを務め、1999-2000シーズンのファイナル進出に貢献。その後ピストンズのヘッドコーチに抜擢され、2年続けてレギュラーシーズン50勝の成績を残し、2003-04シーズンにペイサーズの指揮官に就任した。

就任1年目こそ61勝を挙げカンファレンスファイナルに出場したが、その後は成績が下降していき、プレーオフ出場を逃した4シーズン目を終えた後に退任。2008-09シーズンにマーベリックスのヘッドコーチに就任し、3年目の2010-11シーズンにNBA制覇を達成した。以後も13シーズンにわたる長期政権を築いた。

2021-22シーズン、カーライルはペイサーズの指揮官に復帰。若手が多く再建途中にあったため1年目は2557敗と低迷したが、この年のシーズン途中にトレードで獲得したタイリース・ハリバートンを軸に、アンドリュー・ネムハード、アーロン・ニスミス、ベネディクト・マサリンといった若手を育成。その後は35勝、47勝、50勝と確実に勝ち星を増やし、昨シーズンはファイナルにチームを導いた。この結果により、カーライルは複数のチームでNBAファイナルに出場した史上5人目の指揮官となった。

現在、カーライルはレギュラーシーズン通算で歴代11位となる993勝、プレーオフでは歴代10位の86勝を記録し、すでにNBA史上に残る名将の地位を確立している。今オフ、NBAではスパーズのグレッグ・ポポビッチ、ニックスのトム・シボドーが退任しており、65歳の彼は現役最年長となるが、まだまだ指揮官の座を降りる気配はない。