堀内桜花

堀内桜花と後藤音羽、キーマンを抑えられ得点が伸びず

チェコで開催されている『FIBA U19 女子ワールドカップ2025』。日本代表は準々決勝に進出したが、ここまで圧倒的な強さで4連勝してきたカナダ代表に65-85の完敗を喫した。

試合開始から攻守の強度でカナダに圧倒された日本は、最初の5分間で4-15と2桁のビハインドを背負う。最初の失点は188cmの相手センターにオフェンスリバウンドを奪われてのゴール下で、高さの不利をどう補うかの勝負かと思われたが、実際は他の多くの面においてもカナダは優れたチームだった。

日本の素早いパスワークと、ピックを使ったアタックに対して、フィジカルや高さに頼らずフットワークを使う、抜かれかかっても最後まで食らい付いてプレッシャーをかけることでシュートを決めさせない。日本の司令塔である堀内桜花、エースの後藤音羽のプレーをきっちり研究し、2人がシュートを打つにしても、ドライブから外へパスを出すにしても、カナダ守備陣はズレができかかってもすぐに修正し、良い形を作らせなかった。

このカナダの守備への対応が遅れ、堀内と後藤を中心とした窮屈な攻めを続けてしまったのが日本にとっては悪手だった。後藤は前半を終えてフィールドゴール13本中成功わずか1本。これは単純なシュートタッチの良し悪しではなく、カナダの対策がハマっているにもかかわらず後藤で攻め続ける対応の悪さによるものだ。

第1クォーターを11-26で終えた後、第2クォーターは曽根妃芽香の連続得点などセカンドユニットが踏ん張るが、それでも良い時間帯が長くは続かず、15-17と点差を詰めるには至らない。後半のファーストプレーで堀内がいきなりのスティールからのワンマン速攻を決め、松本莉緒奈が相手のゴール下の攻めにしぶとく食らい付いてトラベリングを引き出して攻守に良いプレーが続いたが、それでもカナダは崩れなかった。ミスマッチを突いてゴール下で良いチャンスを作り出し、そこをカバーすれば外から射抜かれ、第3クォーター終了時点で42-69と大差が付いた。

曽根、伊藤知里、清藤優衣、東小姫、白石弥桜のセカンドユニットがプレーする時間の増えた第4クォーターは23-16と押し返すも、カナダを脅かすような点差まで追い上げられないまま試合終了。スケジュールの関係で3連戦の日本と前日に試合のなかったカナダとではコンディション面で大きな差があったのは間違いない。それでもサイズに依存せずに日本に匹敵する運動量で走り続け、なおかつチームとして統率も取れていたカナダはベスト4進出に値するチームだった。

日本代表はメダル獲得の可能性を失ったが、大会はまだ終わらない。5-8位決定戦に回り、今日ハンガリーと対戦する。