ゲインズヘッドコーチ「私がミスを犯してしまった」
女子バスケットボール日本代表は7月15日、『FIBA女子アジアカップ2025』の予選グループフェーズ最終戦でオーストラリア代表と激突し、67-79で敗れた。グループ2位が確定した日本は18日の準決勝進出決定戦に挑む。
試合の出だし、日本はサイズを生かしたオーストラリアのインサイドアタックに失点を重ねるが、3ポイントシュートを高確率で沈めて応戦する。第2クォーターに入ると、前半だけで15得点を挙げた馬瓜ステファニーがゴール下への切れ味鋭いドライブやリーチを生かしたタフな守備で躍動し、チームを牽引。馬瓜を中心に、日本らしい攻守の切り替えの素早い高速バスケを展開することで、51-42とリードして前半を終える。
だが、後半に入ると前半で17本中9本成功の3ポイントシュートが13本中2本成功と不発に終わり、ゴール下へのドライブも決めきれずにオフェンスが停滞。オーストラリアの反撃を許して追いつかれてしまうが、タフな守備でなんとかくらいついていく。だが、残り5分、的確なカバーディフェンスで守備を支えていた宮澤夕貴のファウルアウトによって生まれたほころびを突かれ、痛恨の連続失点。オフェンスも最後まで立て直せず、最後の5分は4-14と失速してしまった。
最終的に2桁の点差がつくなど力負けした日本だが、それでも格下のレバノン、フィリピンに辛勝だったここまでの2試合に比べると内容は間違いなく向上していた。
コーリー・ゲインズヘッドコーチは「チームのことを誇りに思います。私が求めたことをすべてやってくれました」と振り返る一方で、「敗戦の責任は私にあります。ロッカールームで、私がミスを犯してしまったことを謝罪しました。同じ過ちは繰り返しません」と語った。ミスの詳細については尋ねても明かされなかったが、「選手たちは素晴らしかったです。私にミスにあったことを日本の皆さんに謝りたいです」と強調した。
「日本らしいバスケットを取り戻せてよかったです」
決勝トーナメントに向けた日本の一番の課題は、3ポイントシュートが入らない時にどうやってオフェンスを立て直すのか。この課題解消に欠かせないのが先発ポイントガードの田中こころだ。メンバー最年少19歳の田中は、積極的なドライブからシュートとパスを織り交ぜる多彩なプレーが持ち味。しかしレバノン戦、フィリピン戦は、ともに緩急をうまく使ったドライブからのシュートが皆無だった。
しかし、オーストラリア戦ではここまで2試合で試投数が2本だった2点シュートを7本放つなど、ドライブからレイアップを貪欲に狙う姿勢を見せ10得点5アシストを記録。フィリピン戦の7ターンオーバーに続いて6ターンオーバーを喫したのは大きな反省だが、田中らしい強気のプレー選択が増えたことは明るい材料だ。
「まず受け身になってしまい、全然リングを見られていませんでした。自分が消極的なプレーをすることで、まわりに影響を与えてしまうことも分かってはいました」
田中はレバノン戦、フィリピン戦についてこのように振り返ったが、オーストラリア戦は「トランジションの早いバスケット、日本らしいバスケットを取り戻せてよかったです」と、やるべきスタイルを遂行できる時間が増えたことへの手応えを語った。
ようやく非凡な才能の片鱗を披露した田中は、次戦以降に向けて意気込みを語る。「今日の試合を見た相手は、私がゴール下に行ったらすぐ寄ってくると思うので、そこで外にパスをさばけるか。どれだけ冷静に判断し、ハードにプレーできるかが大事になってくると思います。今日みたいに気持ちを強く持ってプレーすることを継続していきたいです」
オーストラリア戦、田中は1つの壁を乗り越えた。この良い流れに乗ってさらなるステップアップを果たせるかどうかは、日本代表の命運を握る大きな鍵となる。