デビン・ブッカーとのコンビ結成「素晴らしい機会」
ジェイレン・グリーンはロケッツ再建の象徴的存在だった。2021年の1巡目2位指名でロケッツに加入したグリーンは、ジェームズ・ハーデン時代が終わって再建がスタートしたチームと足並みを揃えるように成長した。同時期に再建に転じたいくつかのチームがいまだ迷走する中、ロケッツは年々ステップアップを続け、昨シーズンは52勝を挙げて激戦の西カンファレンスで2位に食い込んだ。
そんな中、グリーンとロケッツの成長曲線にズレが生じた。爆発力はあるが安定感を欠くグリーンのプレーに物足りなさを感じたフロントは、昨年オフの契約延長でマックス額を提示せず、今オフにはトレードする決定を下した。ロケッツのフロントとグリーンは常に相思相愛だったのだが、若いチームの基盤が出来上がったタイミングでケビン・デュラント獲得のチャンスが生じれば、ロケッツとしては乗るしかない。
かくして、NBA4年目のシーズンを終えたところでグリーンはサンズへと移籍した。加入会見で最初に聞かれたのは「トレードをどう受け止めたか」であり、彼の回答は「当たり前のことだけど、辛かった」だった。
「ヒューストンは僕の故郷だ。NBAのキャリアをスタートさせ、多くのものを築いてきた場所だ。だから別れは辛いけど、これがNBAのビジネスであることは理解している。そして、プレーオフに進出し、NBAファイナルも経験したチームでプレーできる機会を得られたことに感謝している」
続いての質問は、デビン・ブッカーとの相性だ。この2人のコンビネーションでデュラントが担っていた以上の得点力や勝負強さを出す必要があるが、どちらもボールを持ってリムに向かってプレーすることで持ち味を発揮するシューティングガードで、役割もポジションも重なる。
それでもグリーンは「僕らは互いを生かしてプレーできる。どちらもダブルチームを引き付けて打開する方法が分かっている。それは楽しくてエキサイティングなものになるだろう」と自信を見せた。「人々はいろんなことを言うだろうけど、それで構わない。僕は彼と組むことが素晴らしい機会だと思っている」
サンズはいろんな意味で行き詰まっており、昨シーズンは36勝46敗でプレーイン・トーナメントにも進めなかった。デュラントはリーグ屈指の実力者だが、彼を放出するところから『リセット』する必要があり、そのデュラントとのトレードで加入したグリーンには、チームに新しい刺激を持ち込むことが期待される。
「これは新たなスタートだ。素晴らしい組織、素晴らしい人々とともに始められる。僕はロケッツでの4年間で身に着けたすべてを用いて、自分の能力を示すつもりだ。きっと良い挑戦になるよ」