「自分を含めみんながターンオーバーに苦しみました」
7月5日、バスケットボール男子日本代表は『日本生命カップ2025』でオランダ代表と対戦し、70-78で敗れた。
日本代表はテーブス海、西田優大、ジェイコブス晶、吉井裕鷹、ジョシュ・ホーキンソンが先発。トム・ホーバス体制での経験が豊富な5人は、連携の取れたプレーによって守備のズレを作ると、確率良くシュートを沈めてリードを奪う。
しかし、代表経験の少ない選手たちが出てくると、オフェンスの流動性がなくなりリズムが悪くなる。さらにオランダの前から激しく当たるプレッシャーディフェンスに苦しみ、ターンオーバーが増えた。こうして相手に流れがいった結果、第4クォーターにわずか11得点とオフェンスが沈黙して逆転負けを喫してしまった。
先発ポイントガードを務めたテーブス海は、シュートチャンスを次々と作り出してゲームハイの7アシストを記録。しかし、シュートタッチに苦しみ得点は2に留まり、5ターンオーバーを喫したこともあって司令塔の役割を果たせなかった。
「オランダはものすごくプレッシャーをかけてきました。バックコートからどんどんトラップを仕掛けてきて、自分を含めみんながターンオーバーに苦しみました。ここは修正しないといけないです」
このようにテーブスは試合を振り返り、15-7と相手の倍以上となったターンオーバーの多さを敗因に挙げた。また、自身のミスについても「相手のダブルチームに苦しんだのは完全に自分のせいです。変わったタイミングでダブルチームに来ますが、一回見たからこそ明日はしっかり修正したいです」と反省しきりだった。
「自分が引っ張っていく気持ちは強くなっています」
今回は河村勇輝がNBAサマーリーグに参加するため不在で、長らく日本代表を支えてきた富樫勇樹も参加していない。ポイントガードで代表実績があるのはテーブスのみで、控えは22歳ジャン・ローレンス・ハーパージュニア、21歳のテーブス流河の若手コンビだ。チーム全体でも若く、テーブスは代表におけるリーダーシップについて「自分が引っ張っていく気持ちは強くなっていますし、トムさんにもずっと言われています」と意識している。
「僕やジョシュ、吉井、西田とトムさんのバスケの経験がある選手はみんな前向きな言葉を発してチームをまとめる必要があります。今日はチームをまとめることができませんでした。そこは明日、もっと心掛けて頑張りたいです。若く代表経験がない選手が揃っているからこそ、コミュニケーションが大事です。まずはどのように動いてほしいか伝えることが大事だと思います」
明日のゲーム2で今日のリベンジを果たすには、ミスを減らすことが大前提となる。だが、それでプレー選択が消極的になっては本末転倒だ。テーブスは強気のプレーを大切にしている。「オフェンスは新しい動きに取り組んでいます。新しいことにチャレンジする積極性を持った中でのターンオーバーは仕方ないところもあります。ただ、同じミスを2回しないメンタリティが一番大事だと思います。逃げたプレーをすると、守備のズレを作れなくなる。自分から率先して課題を修正したいです」
弟の流河はこの試合でフル代表デビューとなった。その記念すべき試合でコートに立てたことは、兄として特別な思いがある。「全力で戦って試合に勝ちたい感情がある上で、弟と一緒に日本代表でバスケをすることをどうしても考えてしまっていました。試合前、流河とは2人ともに代表でバスケができることはどれだけラッキーなことなのか忘れてはいけないと話しました。トムさん、親にすごく感謝しています」
だからこそ今日の内容には悔いが残り、「流河のデビュー戦で勝ちたかったですし、もっとカッコ良いお兄ちゃんの姿を見せたかったのにターンオーバーが多く、負けて悔しいです。明日はもっと頑張ります」とリベンジを誓っている。