長谷川比源

「将来的にはハンドラーもやりたい」身長202cmの逸材

滋賀レイクスの長谷川比源は、Bリーグが誇るネクストスターだ。昨年12月、19歳の若さでBリーグに飛び込むと、ロスター入りした35試合中34試合に出場し、3月からはコンスタントに先発。平均19.04分出場、5.7得点、3.7リバウンド、フィールドゴール成功率47.3%と、シーズン途中から加入したルーキーとは思えないスタッツを残した。

長谷川は5月31から6月1日にかけてイタリアで開催された世界規模のショーケース『ADIDAS EURO CAMP 2025』に『TEAM WORLD』の一員として出場。安藤誓哉、小島元基、ハーパージュニアらBリーガーも参加した、出国当日に行われたワークアウト後にシーズンの感想を聞く機会を得た。

──ユーロキャンプ出場が決まったときの感想を聞かせてください。
高校3年生のときに国内キャンプに出て以来ずっと行きたいと思っていたキャンプなので、今回チャンスをもらえたことは非常に嬉しいです。

──今日のワークアウトはドリブルハンドル系のメニューが多かったですが、どんな意識で望みましたか?
(ワークアウトを担当した)BANG LEEさんには中学の頃から教えてもらっていたので、どういうワークアウトをするかは予想はできていたんですが、Bリーグに入ってからは初めてああいう練習をしたので、全然ついていけなかったです。

──確かに、ガードの選手であっても苦戦するメニューがたくさんありましたね。
そうですね。自分が普段Bリーグでやっているプレーはシュートやクローズアウトに対してのアタックなので、チームのワークアウトはフィニッシュドリルが多かったので。でも将来的にはハンドラーもやりたいと思ってるので、自分にとって必要なワークアウトでした。

──プロとしての1年目が終了しました。どんな手応えを得たシーズンになりましたか?
試合を追うごとに成長できたと思っています。スタートに定着することもできたし、2月の川崎ブレイブサンダース戦で外したクラッチシュートを、その後の佐賀バルーナーズ戦では決められました。シーズン終盤は対戦相手からシューターとして脅威に思われているなと感じることも増えて、自分の強みの一つであるクローズアウトからのアタックも生きて、得点も伸びてきました。オフェンス面に関してはすごく良かったシーズンでした。

──「クローズアウトからのアタック」について、もう少しくわしくうかがえますか。
右でも左でもどちらでもフィニッシュできるのが自分の強みです。セットシュートは左手で打ちますが、アタックからのフィニッシュは右でも左でも打てますし、自分より大きい外国籍もフローターを使ったりしてうまくかわせる。そういうスキルは昨シーズン得点王を取ったブロック(モータム)からもたくさん学びました。

長谷川比源

新人王は「もちろん狙います」

──課題はいかがでしょう。
フィジカルの部分とディフェンスです。シーズン中盤はシューターやアウトサイドの選手につくことが多かったんですが、スタートに定着した終盤はインサイドでもプレーできる外国籍選手とマッチアップする機会が増えたんです。アルバルク戦でのライアン・ロシター選手とのマッチアップは自分にとってすごくタフなチャレンジで、うまくいきませんでした。その後も大阪戦でマット・ボンズ選手を一人で守ってほしいと言われて、すごく苦労しました。たぶん健滋朗さん(前田健滋朗ヘッドコーチ)は期待も込めてマッチアップを託してくれたんだと思いますが、個人的にはシーズンで一番悔しかったかもしれません。フィジカルと技術を高めて、インサイドで外国籍選手の1対1を守り切れるような選手になっていけば自分の価値もどんどん上がっていくと思うので、来シーズンはディフェンスもトップレベルでできるということを示さなきゃいけないと思っています。

──19歳、プロ1年目の日本人選手がロシター選手やボンズ選手に試合を通してマッチアップするチャンスは、なかなか得られるものではありません。クラブが長谷川選手にかける期待の大きさを感じます。
そうですね。そういう相手のほうが燃えるし……自分は、Bリーグはたった一試合で自分の人生を変えられる場所だと思っていて、毎試合そういうマインドでプレーしてるので、自分より評価が高い選手やリーグトップレベルの選手とマッチアップするのは楽しみではあります。

──煽るつもりはありませんが、ポテンシャルと今シーズンのプレータイムを鑑みると、来シーズンは新人王候補の一角になりえる存在だと思います。ご自身はどうお考えですか?
もちろん狙います。今年はシーズンの半分しか出てない中でもインパクトを残せたと思いますし。千葉Jの瀬川(琉久)くんあたりが一番のライバルになるんだと思いますが、獲りに行くという気持ちは強いですね。新人王は置いておいても、まずはスタートに定着して、リーグトップレベルでやっていける選手ということを示したいです。

──現状、今後のキャリアをどのように描かれてますか?
自分はけっこう目先のことを重視するので、まずはBリーグの中でトップレベルの選手ということを示そうと思ってます。そうすれば日本代表にも呼ばれるかもしれないし、国際大会で活躍すればNBAなどにも行けるんで。まずはBリーグで自分がやれるということを示して、どんどんステップアップして、トップレベルの選手になるというのが今の一番の目標です。

自身初の海外キャンプとなった『ADIDAS EURO CAMP 2025』には、アウトサイドのプレーヤーとして参加。英語でのコミュニケーション、ほぼ初対面の仲間に個の力をアピールしないとパスが来ないショーケースへのアジャスト、同世代の世界トップレベル選手との力の差などさまざまな壁に直面したが、「できないプレーをどうやったらできるかと考えるのが楽しかった」と前向きな感想も口にしている。国内では経験できない得がたい経験を糧に、来シーズンにどのような飛躍を果たすかが楽しみだ。

 

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