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「チームを分断するようなことは聞くな」

4月23日にホームで行なわれたロケッツとの第4戦、サンダーのラッセル・ウェストブルックは35得点14リバウンド14アシストを記録した。前半だけで17得点10リバウンド10アシストをマークしたのも特筆すべきだし、プレーオフでの3試合連続『トリプル・ダブル』達成は1967年のウィルト・チェンバレン以来となる快挙。

しかし、試合には109-113で敗れ、サンダーは1勝3敗と崖っぷちに追い詰められてしまった。

試合後の会見に出席したウェストブルックは、スティーブン・アダムズに記者が投げかけた質問に苛立った。試合の後半、ウェストブルックがベンチに下がっていた時間帯の展開についての質問に対し、アダムスをさえぎってウェストブルックがマイクを握った。

「チームを分断するようなことはしてもらいたくはない」と話し始めた声には怒りがこもっていた。

「俺たちはチームなんだ。俺がベンチにいて、スティーブンがフロアにいようが、俺たちは一心同体。チームを二分するようことはしないでくれ。俺たちがお互いに敵意を持つようなことはしないでくれ。『ラッセルとその他の選手』、『ラッセル対ヒューストン』のように扱うな。俺たちは一つのチームで、一緒に戦っているんだ。チーム一丸となって戦っている。それが何よりも重要なんだ。以上」

記者がアダムズのコメントを求めようと食い下がるも、ウェストブルックは「次の質問を頼む」と遮った。

今シーズン55年ぶりに『平均トリプル・ダブル』を達成したウェストブルックは、ロケッツとのシリーズでも35.0得点、11.8リバウンド、11.3アシストと『平均トリプル・ダブル』を維持。だが、チームが勝てないのであれば何の意味はない。

少なくとも、第4戦までを見た限り、ウェストブルックとチームメートとの実力の差がチームのウィークポイントと批判されても仕方がない。それでもウェストブルックは、チームメートを擁護し、「全員でやっていること」と強調した。

「『チームは良いプレーができなかった』と言うのはいい。だけど『ラッセルがプレーしていない時間、チームは良いプレーができなかった』とは言わないでもらいたい。そんなことはどうだっていい。俺たちは一丸となって戦っているんだ」とウェストブルックは言う。

同試合では、ウェストブルックがベンチに下がった第3クォーター終盤から第4クォーター序盤にかけてロケッツが13-4のランを決め、それまでサンダーが75-68でリードしていた展開が一変したのは事実。その後ウェストブルックがコートに戻り拮抗した展開になったものの、セカンドユニットがリードを維持できていれば勝算はあった。そう判断されても仕方ない試合だった。

いずれにせよ、もうサンダーに負けは許されない。ウェストブルックの個の力で不十分であれば、逆転勝利には全員のステップアップが欠かせない。