年齢的な衰えを払拭する3ポイントシュートとアシスト
プレーオフでのマイク・コンリーは24.1分のプレーで5.8得点、フィールドゴール成功率30%、3.3アシストと先発ポイントガードとしては明らかに精彩を欠いていました。37歳となったコンリーには衰えの色が出ており、シーズン中からプレータイムを減らしていましたが、強度の高いプレーオフでは起点役もアンソニー・エドワーズとジュリアス・ランドルに任せる機会が増えていました。
そのコンリーが、勝てば2年連続のカンファレンスファイナル進出となる第5戦で16得点8アシストと結果を残し、特に第2クォーター終盤からから第3クォーターにかけてティンバーウルブズがリードを作った時間帯に、3ポイントシュート3本を沈めるなど、大きなアドバンテージをもたらすキーマンになったのです。
ステフィン・カリーを欠くウォリアーズは勝利のためにはロースコアに持ち込むことが大前提のため、エドワーズへのマークを徹底し、ボールを持っていなくてもフェイスガードするとともに、ボールを持てば積極的なダブルチームを仕掛けていきました。前半のエドワーズは3ポイントシュートでの6得点に留まっており、起点でありエースであるエドワーズを消しに行くウォリアーズの作戦は機能していました。
ウルブズ側にとってはダブルチームからパスを受けた選手の活躍がキーになってきます。エドワーズからのパス1本でシュートまでいければ理想ではありますが、ウォリアーズのローテーションディフェンスはそんなに甘くはありません。ボールを持った瞬間にシュートを打つべきか、スペースへドライブすべきか、次にフリーになる選手へパスをすべきかの判断が求められます。
ここでベテランらしいコンリーの落ち着きと判断力が輝きを放ちました。3ポイントシュートで射貫くだけでなく、空いたスペースへドライブからのフローターに、フリーになったルディ・ゴベアへのロブパスと、人数が足りなくなっているウォリアーズディフェンスの急所を突いていきました。
試合の序盤は効いていたウォリアーズのディフェンスでしたが、コンリーに崩されていったことで対応を変更する必要がでてきました。また、2桁リードを得たこともありウルブズ側に余裕が生まれ、エドワーズも後半だけで16得点6アシストとパスをさばきながらも自ら得点していくシーンが増えていきました。
同じ37歳のカリーと比べればコンリーの衰えは明らかで『特別な』活躍をしているとは言い難いものがあり、試合終盤のラインナップから外れることも増えてきました。しかし、ウォリアーズの仕掛けに対して冷静に急所を突いていった判断能力には特別なものがあり、ウルブズがプレーオフを勝ち進むために欠かせない存在であり続けています。