連敗ストップへ強い意欲「負け犬でいたくはない」

今シーズンのバックスは開幕から2勝8敗と最悪のスタートを切った後、少しずつチームとして機能するようになり、ヤニス・アデトクンボとデイミアン・リラードを中心に強豪として再評価されてきた。しかし、3月中旬になってリラードが深部静脈血栓症で無期限の戦線離脱となると風向きが変わり、直近は4連敗を喫してチームの雰囲気が暗くなっていた。

現地4月1日のサンズ戦で、アデトクンボは「絶対にこの試合に勝ちたかった」と語る。この試合が終われば3試合の遠征が控えていて、その前に連敗を止めたかったのだ。「僕らは勝つためにプレーしている。勝てば食事も美味しく感じられるし、ぐっすり眠れる。負ければ逆で、僕は負け犬のような存在でいたくはない。だからチームメートには『命懸けで戦うんだ』と言ったよ。本当に命を懸けるわけじゃないけど、本気でそう思っている」

指揮官ドック・リバースは、リラード抜きでのオフェンスを機能させるため、アデトクンボにより多くの役割を託した。そこにはプレーメークも含まれる。ただし、リラードと同じ仕事をするわけではない。アデトクンボらしさは保ったまま、パスムーブを意識してオフェンスにリズムを生み出し、チャンスを作り出すことを意識している。

「ゲームメーカーと得点源の両方をやらなければいけない、と彼には伝えた」と指揮官リバースは語る。アデトクンボがボールを持てば相手ディフェンスは最大級の警戒をし、アタックする気配を見せれば1人では止められないのでダブルチームで対応する。そこで生まれたズレをパスで生かす役割が今まで以上に求められる。そして、このサンズ戦でアデトクンボは自分の殻を打ち破り、プレーメークでも素晴らしい仕事をした。

リラード欠場でプレーメークの役割も担う

133-123でバックスが勝利したこの試合、アデトクンボは37得点5リバウンド11アシストを記録。アシストを記録しないパスについても瞬時の判断で正しいプレーを選択し、オフェンスを活性化させた。その結果、バックスのフィールドゴールは74本中51本成功(68.9%)、3ポイントシュートは29本中17本成功(58.6%)とシーズンベストと言っていいほど効率が良かった。

アデトクンボは右足首を捻挫しており、試合当日まで出場できるかどうか分からなかったが、コンディションの問題など全く感じさせないパフォーマンスだった。

「難しいんだよ。完璧というものが存在しないからね」とアデトクンボは言うが、その表情は明るい。「自分でアタックに行く時は『攻撃的すぎるかも』と思うし、それでパスを優先し始めると『消極的になっているかも』と思う。どちらかを選ぶしかないけど、決して正解にはたどり着けない気がする。でも、常に思い切った選択をしなきゃいけないのは分かっているよ」

シュート成功率の高さについては「誰がオープンになるのかは見えている。みんなも落ち着いてシュートを打てている」と語り、自分だけでなくチームの好調も誇った。

「思い切った判断でパスを出す選手がいて、迷わず打つ覚悟を持っている選手がいる。シュートは決まる日も決まらない日もあるけど、こういう選手が揃っていれば次々と決まるものさ」