クーパー・フラッグ

SECカンファレンスから歴代最多14校が出場

先日、春のアメリカンスポーツを代表するイベント『NCAAトーナメント』の組み合わせが発表された。これから『マーチ・マッドネス(3月の狂乱)』の愛称にふさわしい熱戦が全米各地で繰り広げられることになる。

68チームが出場するトーナメントは、4つのブロックに分かれている。各ブロックの第1シードはデューク大、フロリダ大、ヒューストン大、オーバーン大と順当な顔ぶれとなった。

今年のトーナメントの最注目選手はデューク大の1年生フォワード、クーパー・フラッグだ。シーズン開幕前から「今年のNBAドラフト全体1位の最有力候補」と言われていた206cmの逸材は、レギュラーシーズンで平均18.9得点、7.5リバウンド、4.1アシスト、1.5スティール、1.3ブロックを記録。入学前から定評のあったオールラウンダーぶりを発揮しつつエースムーブができることも証明し、その多彩さから良くも悪くも2番手タイプの選手と見る向きを覆している。

カンファレンストーナメントで負傷した足首の状態が心配されたが、NCAAトーナメントには初戦から出場予定。さらにはここに来て大学にもう1年残る可能性を指摘する声も挙がっており、その注目度はさらに高まっている。

フラッグ以外でNBAドラフト上位指名が期待されている上位校の選手は、第2シードであるミシガン州立大の1年生ガード、ジェイス・リチャードソンだ。レギュラーシーズンは平均12.0得点、3.2リバウンド、1.9アシスト、3ポイントシュート成功率41.2%を記録191cmのジェイスは元NBA選手の父・ジェイソンのようなサイズや跳躍力はないが、クイックネスとスキルに優れ、父のように長らく主力として活躍できる可能性を秘めている。

他には3連覇を目指すコネチカット大のリアム・マクニーリー、ベイラー大のVJ・エッジコンブ、メリーランド大のデリック・クーン、ブリガムヤング大のイゴール・デミンらのプレーにも注目したい。

また、今大会の大きな特徴はSECカンファレンスの躍進だ。第1シードのフロリダ大、オーバーン大、第2シードのアラバマ大とテネシー大など、レギュラーシーズンではランキング上位に多くのチームが名を連ねていた。そのため多くの選出は当然と見られていたが、それでも1つのカンファレンスから史上最多となる14チームの選出は多すぎるという声も少なくない。

SECカンファレンスで今トーナメントに出られないのは2校のみ。さらにはカンファレンス成績で612敗と大きく負け越しているテキサス大、オクラホマ大の選出には疑問も残る。トーナメントでSEC勢が早期敗退を繰り返した場合、選考方法の妥当性も問われることになりそうだ。