ビッグマン2人を失ったことでディフェンスが締まる
3月7日、EASL(東アジアスーパーリーグ)FINAL4の準決勝で広島ドラゴンフライズがニュータイペイキングスと対戦した。
広島の先発は中村拓人、山崎稜、三谷桂司朗、ドウェイン・エバンス、ケリー・ブラックシアー・ジュニアの5人。ターンオーバーから速攻を許し先制されるも、ブラックシアー・ジュニアがインサイドや走力で違いを生み9連続得点を挙げ、さらに三谷も速攻を成功させ互角の展開に。しかし、広島は6本放った3ポイントシュートがすべて決まらず流れに乗れない。ターンオーバーも連発し、ジョセフ・リンに要所で得点を許したことで15-19とビハインドを背負って第1クォーターを終えた。
それでも第2クォーターに入ると、俊喜がチーム初の3ポイントシュートを決めたことで主導権を握る。さらに渡部琉がこのクォーターだけで3本の3ポイントシュートを沈め、ターンオーバー奪取から長距離砲が生まれるなど理想の展開に持ち込んだ。しかし、タフな3ポイントシュートを連続で許し突き放せずにいると、強みであるオフェンスリバウンドを取り切れずに速攻を浴びるなど逆転をされ40-41で前半を終えた。
後半に入っても、上澤が6連続得点を挙げた直後に連続で3ポイントシュートを許すなど、広島にとってはやきもきする展開が続いた。それでも、ゾーンディフェンスから連続でパスカットに成功し、それを得点に繋げるなど徐々にディフェンスから流れをつかむ。そして、なかなかリズムをつかめずにいたエバンスが持ち味であるドライブから連続得点を挙げたことで優位性を保ち、68-60と一気に突き放した。
このまま広島ペースで進むかと思われたが、落とし穴が待っていた。河田チリジが開始約40秒に5ファウルで退場すると、代わりにコートインした4ファウルのブラックシアー・ジュニアも残り7分でファウルアウトに。その結果、三谷が4番ポジションを務めることになり、サイズ面で圧倒的に不利となった。しかし、広島はここでディフェンスの強度を高めることでインサイドで簡単に得点を許さず、周りの寄りも速くなる。さらに24秒をたっぷり使うディレイドオフェンスで時計を進めつつ、確実に加点したことで相手の焦りを生んだ。調子を取り戻したエバンスがハンドラーとして試合を支配し、2桁のリードを保ち続け81-65で勝利した。
決勝は3月9日。琉球ゴールデンキングスvs桃園パウイアンパイロッツの勝者と頂点を争う。