若返りを図るバスケ女子日本代表、最年長の藤髙三佳「勝負強さでは負けたくない」

2019/04/30
日本代表
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藤髙三佳

「良いことも悪いことも経験している」という強み

女子日本代表は26名の候補選手を招集し、指揮官トム・ホーバスの下で第2次強化合宿をスタートさせた。チームは若返りが進み、今回招集された26名の平均年齢は24.1歳となっている。そんなチームにあってキャプテンの髙田真希と並んでチーム最年長、それでもフレッシュな動きを見せていたのが藤髙三佳だ。

2016年のリオ五輪、栗原三佳は思い切りの良い3ポイントシュートが当たりに当たり、平均12.7得点を挙げて日本のベスト8進出に大きく貢献した。3ポイントシュート成功率は51.1%で、その勝負強さを世界に向けて披露した。年齢を重ね、結婚して名前も藤髙になった。「フレッシュさは当然負けるんですけど(笑)」と前置きした上で「プレッシャーに対しての強さだったり、勝負強さは負けたくない。負てけてちゃダメだろって思います」と、男前な発言をした。

この段階では選手個々にとってはサバイバルレースの側面も強い。若手の台頭に負けない気持ちの強さを見せるが、それと同時に世界と渡り合った経験を下の世代に伝えることの大切さも理解している。「年上だから、トムさんのこともよく理解できてるとは思います。その子たちにアドバイスをどれだけできるか。やはり質の良い練習をしなきゃいけないので、ライバルだからといってアドバイスしないってのはないし、日本全体で良くなることが重要です」

リオでの成功や、その後のケガで苦しい時間を過ごした藤髙の存在は、若手選手にとっても心強いものに違いない。「良いことも悪いことも経験させてもらっているので、良い状況でのメンタルも分かるし、調子が上がらなくてつらい時のメンタルも分かります。どちらの場合でも、話を聞いてあげられるというのは自信になります」

藤髙三佳

「3ポイントは大前提で、プラスアルファが必要」

今回選出された26名の代表候補の中から、大会毎に18名でチームを編成する。今年はアジアカップを中心に強化のための大会が数多く予定されているが、そのたびに26名の候補選手がロスターを争うことになる。藤髙のシューティングガードのポジションは特に競争が激しく、11名の選手が招集されている。

藤髙の一番の武器は、一発で試合の流れをガラリと変える3ポイントシュートで、その威力はリオ五輪で証明済み。それでも「3ポイントシュートは大前提で、プラスアルファが必要」と考えている。それは他のシューティングガードとは持ち味が異なり、そのスタイルの違いをはっきり打ち出す必要があるからで「それぞれアピールの仕方は違うかな」と、とらえている。

「ある子はドライブを求められたり、ドライブからパスができるから信頼を置かれてる子もいる。私は第一に確率で、それと打つ本数です。トムさんのオフェンスは展開が速いので、チャンスを一つ逃しちゃうと、オフェンスもワンテンポ遅れたり、歯車が狂ってしまいます。打たなきゃリズムが保てない時があるので、そこをいかに見逃さずに打っていくか、それをどう見つけるかが私の仕事だと思っています」

藤髙三佳

「トムさんが求めるディフェンスはレベルが高い」

また藤髙は「ディフェンスが課題」とも言う。3ポイントシュートのイメージが強い藤髙だが、ディフェンスでも相当に踏ん張りが利く。代表では体格で勝る世界の屈強な選手たちを相手にしても、ひるまずぶつかっていく姿が印象的で、タフなディフェンスを見せていただけに、その言葉は意外だった。「トムさんが求めているディフェンスはレベルが高く、ディフェンスで良いイメージがないと出られないので」と藤髙はその理由を明かした。

「コンタクトよりはシステムのローテーションの速さだったり、反応の速さですね。客観的に見たら、目立たない部分ではあるんですけど、そういう細かいところをいかにできるかがカギになってくるので。トムさんの信頼を勝ち取りたいです」

若手の台頭は日本代表にとって歓迎すべき成長だが、藤髙のような経験豊富な選手がベテランになっても爽快なプレーを失わずにチームを引っ張っていくことも大事。ヘッドコーチの求めるディフェンスレベルをクリアできれば、藤髙の必殺の3ポイントシュートはいつまでも輝く。