![寺園脩斗](https://basket-count.com/wp-content/uploads/2025/02/photo_2081924.jpg)
「失点を70ぐらいに抑えると勝てるゲームが作れます」
B1第21節、レバンガ北海道はアウェーで群馬クレインサンダーズと対戦した。第1戦は70-55と得点が伸び悩み敗戦となったが、第2戦は前半で15点のリードを奪い先行した。しかし、後半に失速して68-73の逆転負けを喫した。
北海道の先発ガードを務めて17得点3アシストを記録した寺園脩斗は、健闘するも敗れたこの試合に悔しさを隠さなかった。「昨日と違って前半は良い感じで得点できて、失点も抑えられましたが、後半は群馬に流れを持っていかれました。僕たちは下位のチームなので、リードした試合を取りきれるかが重要です。40分間ディフェンスをやり続けることが課題で、今日はそれが出た試合でした」
第2クォーターで29-13と大量リードを築いたが、この時間帯の大部分は2番手ガードの島谷怜がコートに立ち、後半に寺園の出場時間が伸びた。この起用法の意図を小野寺龍太郎ヘッドコーチは次のように明かす。
「流れとして前半の島谷は非常に良かったです。ウイング陣の誰とプレーするかで(ポイントガードの起用はコントロールしています。後半ピック&ロールが上手くいっていなかったことと、相手のディフェンスに応じて自分たちのオフェンスを整理した結果、寺園の出場時間が長くなりました」
その期待に応えるように、後半の寺園は北海道の22点のうち13点を挙げて奮闘した。流れが群馬に行く中でも寺園の勢いは止まらず、再逆転の3ポイントシュートを決めるなど最後まで勝利の望みを繋ぐプレーを見せた。
敗れはしたが上位の群馬を脅かす試合内容ではあった。年が明けてから千葉ジェッツやアルバルク東京、サンロッカーズ渋谷に勝利しているのはポジティブな結果だ。その要因を小野寺ヘッドコーチは次のように話す。
「どこのチームとやってもある程度こういうゲームに持っていけると選手も感じています。毎試合どのようなペースでプレーをして、どこを優先的に止めるかを考えて、失点を70ぐらいに抑えると自分たちが勝てるゲームが作れます」
その言葉どおり、千葉JとSR渋谷に勝利した試合は失点を60点台に抑えた。小野寺ヘッドコーチは「ディフェンスやリバウンドのコントロールをチームのみんなが理解して慣れてきています。上位との対戦では特にディフェンスに注力して、相手のストロングポイントを消していけるかにフォーカスしています」と続けた。
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『キャプテンのつもりでやって欲しい』と言われている
寺園も小野寺ヘッドコーチ同様にチームへの手応えを感じている。「ヘッドコーチがやろうとしているバスケをみんながやろうとしている姿勢があります。ウチは戦術戦略がすごく多くて初めてきた選手にとっては難しいですが、シーズン中盤戦にきて成熟してきたのが上位チームにも勝っている要因だと思います」
「ただ、上位チームに1勝はできても連勝はしたことがありません。今日は群馬に負けましたが、昨日の反省点を生かして今日カムバックできたところはチームとしての成長です。これから23試合、良いゲームをするチームではなく『勝てるチーム』になる必要があります」
北海道はBリーグになってシーズンを通して勝ち越したことがない。2022-23シーズン途中から小野寺ヘッドコーチが指揮を執るようになって3シーズン目を迎え、今まさに小野寺ヘッドコーチが巻いた種が少しずつ花開こうとしている。
そんな北海道で在籍4シーズン目の寺園はリーダーシップを発揮している。キャプテンは今シーズンから後任に譲ったが、苦しい状況でチームを鼓舞し、ベンチに下がっても戦況を見守るのではなく立ち上がり大きな声で仲間に声をかける。
「今シーズンは島谷選手とラモス選手がキャプテンとしてチームを務めています。2人はオンコートでは引っ張ってくれますが、ベンチに下がった時に声を出すタイプではないです。今シーズンはキャプテンではないですがチームからは『続けてキャプテンのつもりでやってほしい』と言われています」
タレント力ではなくチーム力で戦う北海道にとって、寺園のキャプテンシーは不可欠なもの。現在13勝24敗で東地区5位、黒星先行であるものの、相手にとってこの戦績以上に脅威的なチームになってきている。より強固なチームを作り上げるべく奮闘する寺園の挑戦はまだまだ続く。