ジョエル・エンビード

左足首のケガが癒え、練習を再開した途端に左膝に腫れ

セブンティシクサーズとジョエル・エンビードの苦境が続いている。エンビードは昨シーズンに負った左膝のケガが長引き、オフにはパリオリンピックに出場したものの今シーズン開幕にはコンディション調整が間に合わず。その後も休養を挟みつつのプレーを強いられている。直近の6試合は左足首の捻挫で欠場。復帰に向けてチーム練習に参加した途端に、左膝が腫れた。これで復帰プランはリハビリへと変わり、1週間から10日後に再検査となる。

エンビードは今シーズンここまで13試合にしか出場できていない。今回彼が不在だった6試合は1勝5敗で、シクサーズは15勝24敗と大きく出遅れている。現在は東カンファレンス11位で、プレーインに進む10位には2ゲーム差、プレーオフにストレートインとなる6位には6.5ゲーム差と大きく引き離されている。

シクサーズはこれからペイサーズ、バックス、ナゲッツとアウェーでの連戦。その遠征にエンビードは帯同せず、回復に専念することになる。仮に10日間の離脱となれば、今回の遠征だけでは済まず6試合から7試合を欠場することになりそうだ。

ケガを抱えているにもかかわらずオリンピック参加を強行したことがシクサーズを軽視しているとして、地元ではエンビードに対する批判の声も高まっている。しかもエンビードが出場した13試合でも7勝6敗と、チームはさほど勝てているわけではない。休養を挟みながらプレーしているにもかかわらず、昨シーズンと比べてプレータイムは4分減り、得点は34.7から24.4へ、リバウンドは11.0から7.9へ、フィールドゴール成功率は52.9%から45.2%へとスタッツを大幅に落としている。

休養を挟みつつプレーしているとは言え、走ったり跳んだりする動きは鈍く、無理を押してコートに立っているのは明らかだが、結果が出ないのでは信頼回復には繋がらない。チームが大きく負け越している以上、どうしても『チームの顔』であるエンビードに不満の矛先は向いてしまう。

ただ、開幕当初に比べてこの1カ月間のエンビードは調子を上げており、年末に記録した今シーズン初の4連勝も彼が攻守を牽引したことが大きい。ただ、それだけに足首に続いて膝とケガが続いて、せっかくつかみかけてきたリズムを失うのが悔やまれる。

ケガに苦しんでいるのはエンビードだけではない。シクサーズでは今もポール・ジョージ、ガーション・ヤブセレ、カイル・ラウリー、KJ・マーティンがケガで練習に参加できていない。エンビードは足首のケガが癒えて復帰できる見込みだっただけに、状況はさらに厳しくなる。

エリック・ゴードンは「ケガ人が多くて余裕がないのは事実だけど、接戦を落としている試合が多いから、チームでもっとコミュニケーションを取り、そこで勝てるだけの遂行力を身に着けたい」と語る。そしてエンビードの離脱が長引くことを「フランチャイズプレーヤーの不在はつらい」と言い、こう続けた。

「彼がチームの重要な戦力で、彼がいれば僕たち全員のプレーが楽になるけど、彼がいなくても勝つために戦い抜く方法を見つけ出すつもりだ。まだシーズンは半分も残っている。だからチームに磨きをかけていくんだ」