NBA史に残るプレーを続けるウェストブルックとハーデン
2017年のシーズンMVPレースは、サンダーのラッセル・ウェストブルックとロケッツのジェームズ・ハーデンの争いに絞られた。
ウェストブルックは史上2人目の『平均トリプル・ダブル』達成が目前、1シーズンにおけるトリプル・ダブル達成回数のNBA記録更新も視野に入っている。40得点以上でのトリプル・ダブルを複数回達成しているハーデンもまた、NBAの歴史にその名を刻むパフォーマンスを続けている。
投票権を持つアメリカのメディア関係者もどちらに投票すべきか頭を抱えていることは想像に難くない。2人のうちどちらが受賞しても、受賞を逃した方を擁護する意見が出て「是か非か」の議論となるのは必至だ。
そんな中、2008年にシーズンMVPを受賞したコービー・ブライアントは、『ESPN』の番組に出演した際に「ひょっとすると、史上初の2人同時受賞になるかもしれない」と語った。
前例がないだけに最終的にはNBAの判断次第だが、今年に限って言えばウェストブルックとハーデンのどちらもシーズンMVP受賞に値する。シーズンMVPの同時受賞は過去に例がないものの、オールスターゲームのMVP同時受賞は何例かある。
1993年にはカール・マローンとジョン・ストックトン、2000年にはシャキール・オニールとティム・ダンカン、2009年にはオニールとブライアントがオールスターのMVPを同時受賞している。新人王の同時受賞も過去に何例かあり、直近では1994-95シーズンにジェイソン・キッドとグラント・ヒル、1999-2000シーズンにエルトン・ブランドとスティーブ・フランシスが新人王を分け合った。
ウェストブルックとハーデンのどちらが今年のシーズンMVPに相応しいかを問われ、はっきりと両者の差を答えるのは難しい。投票が割れ、2人が同じ票数を獲得する可能性もある。むしろ、史上初の同時受賞を望む意見の方が多いかもしれない。