美濃加茂は今年のインターハイで、開志国際に福岡大学附属大濠と優勝候補を相次いで破り準優勝と躍進し、初出場となったU18日清食品トップリーグでも2位の好成績を収めている。それでも彼らは「課題点も多く見つかりました」とトップリーグの経験からチームをさらに成長させ、チャレンジャーとしてウインターカップに挑む。ダブルキャプテンの関健朗と藤田大輝に、その思いを聞いた。
「僕たちがキャプテンをするとは誰も思ってなかった」
──まずは藤田選手から自己紹介と、関選手からどんなキャラクターか教えてください。
藤田 愛媛県松山市勝山中出身です。成績は全中ベスト16、Jr.ウインターカップにも出場しました。U15代表で同年代の面白い選手や留学生が美濃加茂に入ると聞いて、面白そうだと思い入学を決めました。
関 大輝とはダブルキャプテンをやっていますが、バスケの面では厳しいところは厳しくし、笑うところは笑うようなキャプテンシーのある人です。私生活は真面目なキャラではないです。やるところはやるけど、だらしないところも結構あります(笑)。
──続きまして、関選手お願いします。
関 千葉県の八千代松陰中出身で、夏の全中はベスト4で4校同時優勝でした。美濃加茂に来た理由は、体験に来た時の練習の雰囲気、寮や学校の環境も含めて良いなと思ったからです。
藤田 ちゃんとしないといけない時はキャプテンみたいな雰囲気を出すんですけど、練習の時は他の選手と一緒に少しふざけたりします。私生活ではたまに寝坊して遅刻します(笑)。
関 遅刻はしないよ!(笑)
藤田 寝坊はたまたま起こしてもらっているだけで危ないことが多いんです。私生活はそれなりにちゃんとしていて、意外と頼れる存在です。
──八千代松陰中では、福岡大学附属大濠の渡辺伶音選手と同じですね。
関 はい。中学時代は毎朝1時間半くらいかけて登校していて、伶音とは最寄りの駅が近かったので3年間毎日一緒に行っていました。もう1人、190cmの選手も一緒で、僕だけ当時小さかったので電車の中はめちゃくちゃ目立ってました。
──2人がダブルキャプテンになった経緯を聞かせてください。
藤田 僕たち以外のスタメンの3人、後藤宙と深見響敏とエブナ・フェイバーは去年から試合に出ていていました。僕たちは経験が少ないからキャプテンという仕事を任されたと思っていて、最初は「本当に僕たち?」と冗談半分で受け止めている感じでした。
関 前から少し匂わされていましたが、本当に言われた時は去年の3年生の先輩たちも含めてみんな驚いていました。本当に僕たちがキャプテンをするとは誰も思ってなかったと思います。
──いざキャプテンになってからの気持ちの変化はありましたか。
関 それまでは自分のことだけで精一杯でしたが、4月からはチームのことを一番に考えなくてはならなくなりました。最初の方は「これで良いのかな」という不安もありましたが、2人で自分たちが一番声を出そうと決めて、意識して声を出し始め、夏頃から変わってきたと思います。
藤田 インターハイ予選が終わり、東海ブロック大会で強い相手と戦うことで自分たちの力を測れるようになってから一気に自信がつきました。
「残りの1カ月で乗り越えられるように」
──インターハイでは福岡大学附属大濠に勝ち、決勝まで進みました。
関 インターハイは正直、自分たちが決勝までいけると思っていませんでした。最初にトーナメント表を見た時も、ベスト8で開志国際、その次は大濠と当たるのは苦しい試合になると思っていましたが、1試合1試合やるたびに成長というか、チームとして良い雰囲気になっていると感じました。
──今年はU18日清食品トップリーグにも出場しました。良い手応えを得られたのでは?
関 悪い試合ではなかったので、強豪校を相手にもやっていける自信はありますが、課題点も多く見つかりました。特に東山戦や大濠戦ではすごく課題を感じました。インターハイでは自分たちのシュートが当たっていましたが、トップリーグではシュートが入らない試合が多くて、そういう時はディフェンスを頑張らないといけないのに、頑張りきれない。自分たちの持ち味である激しいディフェンスをできた試合が少なかったです。
──藤田選手はディフェンスの泥臭い部分より派手にやりたがると聞きました。
藤田 自分自身、結構泥臭いというかディフェンスは好きなんですが、やっぱりオフェンスでガツンっていきたい気持ちはあります。リバウンドの後にフェイバーとよく一緒に裏から入ってくるんですけど、その時にフェイバーを使って、そのままリング下まで行って身体を当ててシュートに行くプレーが好きですね。
──関選手は自分のパフォーマンスについてどう感じていますか。
関 僕は一つのことに集中したら他のことがあまりできません。パスやディフェンスのマンツーマンはある程度できるんですけど、チームディフェンスのヘルプだったり、もう少し気を配れたらもっとチームが良くなるだろうと思うのですが、難しいです。残りの1カ月で乗り越えられるように頑張りたいです。
「自分たちはいつもチャレンジャー」
──ウインターカップに向けて一番意識していることは何ですか。
藤田 オフェンスでは自分たちの持ってるものを信じてやれば絶対に通用すると思います。その中でもオフェンスのやり合いではなく、どれだけ相手を圧倒するかというのが大事になってくるので、ウインターカップでは気持ちの部分で負けないように、ディフェンスや泥臭いプレーに一番力を入れてやっていきたいです。
関 自分たちはいつもチャレンジャーだと言っています。チーム一丸というか、相手に向かっていくんだという『チャレンジャー精神』を合言葉に、自分たちの一番の持ち味であるディフェンスで受け身にならずにやっていこうと話しています。
──負けたくないチームや選手はありますか。
藤田 今年負け越してるのが東山なので、そこは勝ち切りたいです。それと、世代の中でも日本代表選手を自分たちが「狩る」つもりで挑もうと話しています。
関 僕も唯一2連敗してる東山です。トップリーグも勝つ気で臨みましたが、全然歯が立たなかったので、ウインターカップでは絶対に負けたくないです。個人的には、相手のエースや2、3番ポジションの選手とマッチアップすることが多く、オフェンス面よりマンツーマンでのディフェンス面のことを求められているので、相手のエースに対するディフェンスで負けたくありません。
──最後に、チームと個人の注目してほしいところを教えてください。
藤田 個人的には見ている人をワクワクさせられるようなプレーをしたいので見てほしいです。チームとしては出ている選手が楽しくプレーするところ。全体的にみんな元気が良くて、応援も全員が声を張っています。今年は新しい応援グッズとして太鼓があるのでそこはちょっと見どころです。
関 チームの応援が結構すごいです。チームの応援やベンチの選手、試合出てる5人も全員合わせてチーム一丸となってプレーしてるところを見てほしいです。個人的には前から泥臭く激しいディフェンスと、要所での3ポイントシュートに注目してほしいです。