盟友ハズレムへのアシストでトリプル・ダブル達成
アメリカンエアラインズ・アリーナで最後のホームゲームを終えたドウェイン・ウェイドは、その翌日、現役ラストマッチとなったブルックリンでのネッツ戦を、記憶に残る形で締めくくった。
2試合続けて先発出場したウェイドは、コートサイドで観戦していたレブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニー、クリス・ポールの前で、25得点11リバウンド10アシストを記録。今シーズン初のトリプル・ダブルを達成し、16年のNBAキャリアに終止符を打った。
2011年2月4日以来、そしてキャリア5回目のトリプル・ダブルをマークしたウェイドは、試合後「どうしてだか分からないけれど、みんなが最後の試合で60得点を決めないといけない感じになっているんだよ。きっとコービー(ブライアント)の影響だね。自分がその期待値を下げられたのなら、うれしい。トリプル・ダブルの方がずっとイージーだから」と、答えた。
トリプル・ダブルも決して簡単なことではないが、第3クォーター残り45秒、2003年からヒート一筋のキャリアを送る盟友ユドニス・ハズレムのシュートをお膳立てして10アシスト目を挙げ、トリプル・ダブルを達成した。
レブロンら親友に見守られたウェイドは、「ありがたいね」と、友情に感謝した。
「僕も、彼らにとっての今日のような瞬間に必ず立ち会う。何をしていても、彼らの最後の試合を必ず観に行く。来てくれてうれしかったけれど、それと同時に、『シュートを打て』とうるさくて。でも、最高。僕たちは兄弟のような関係性。彼らは自分の兄弟。最後にはぴったりだったよ」
実はウェイドは、前日のホーム最終戦後スコアラーのテーブルに飛び乗ろうとした際にバランスを崩して転倒し、左ひざを痛めていたという。ラストゲームを欠場する可能性があったかを聞かれると、「その可能性はあった」と、明かした。
「転んでしまったのは不運だった。試合前には、治療にだいぶ時間を使ったんだ。今朝は10時に起きて、治療を受けていた。数分プレーして、あとは休もうと思っていたんだけれど、楽しくなってね」
試合終了後も、ウェイドはずっと笑顔だった。コートでのインタビュー中もレブロンが乱入して爆笑するなど、湿っぽさは全く感じられないラストゲームだった。しかし、NBA選手のドウェイン・ウェイドは、この日を最後にいなくなる。
「オスカー級の筋書きだね」と笑顔で語った彼の『ラストダンス』は、まさに映画のような形で、幕を下ろした。