「チームメートが僕をよく見つけてパスをくれたので得点を取れました」
琉球ゴールデンキングスは11月2日、3日とアウェーでの大阪エヴェッサ戦に連勝。これで東アジアスーパーリーグの試合を含め5連勝と調子を上げている。
第2戦の立ち上がり、琉球は96-79で快勝した前日の勢いそのままに、脇真大のゴール下への力強いアタック、堅守からのトランジョンによるイージーレイアップなどで着実に得点。いきなり17-4のランと抜け出す。琉球はこの勢いのままインサイドを軸に得点を重ね、前半で49-38とリードを奪う。
後半に入ると、球際の激しさを押し出してタフに戦う大阪の反撃をくらい、第3クォーター途中には、アンスポーツマンファウルなどもからみ5点差にまで詰め寄られる。しかし、この踏ん張りどころで琉球はさすがの勝負強さを発揮。直後のポゼッションで大阪にシュートを打たせず24秒バイオレーションを奪うと、次のオフェンスでセカンドチャンスからアレックス・カークがゴール下でねじ込みバスケットカウントワンスロー。直後にカークのスティールからケヴェ・アルマが速攻で豪快なダンクを叩き込んで、すぐにリードを2桁に戻した。
これで試合の流れを引き寄せた琉球は、第4クォーターに入ってもチームオフェンスを継続することで大阪のディフェンスに的を絞らせず。前日に続く大量得点で同一カード連勝を達成した。
この試合、アルマは26分出場でフィールドゴール11本中8本成功(3ポイントシュート5本中3本成功)の27得点7リバンドと大暴れだった。27得点はシーズンハイとなるが、アルマは「あくまでチームゲーム」と強調し、次のように語る。
「とても良い気分です。アグレッシブにプレーして、マッチアップした相手とのアドバンテージを生かすことができました。また、チームメートが(シュートチャンスの時)僕をよく見つけてパスをくれたので効率よく得点を取ることができました」
チームプレーヤーであることを何よりも大事にするアルマだけに、「僕たちは優れた選手が揃っています。今日は僕の日だったとしたら、今後は他の選手が活躍する番です」と自身のスタッツにも興味を示さない。
ベテランのサポートに感謝「常に僕たち若手をプッシュしてくれます」
現在、5連勝中の琉球だが、10月23日の水曜ゲームで島根スサノオマジックに61-98で大敗した。「35点差以上で負ければ、それは目を覚ます試合になります」と振り返るアルマは、島根戦の反省を経たチームの変化をこう見ている。
「メンタリティーは違っていると思います。島根戦は立ち上がりからフィジカルに来る相手に対して受け身になってしまいました。そこで守備から立て直そうとしたけど、流れを取り戻すことができなかったです。今は立ち上がりから自分たちもフィジカルに戦って良いスタートを切れている。それが、最初から流れをつかむ助けになっています」
今オフ韓国リーグのKBLから加入したアルマは、まだ25歳と若く、不用意なミスやファウルなど荒削りな部分は否めない。だが、今夏のNBAサマーリーグではセブンティシクサーズの一員として出場して爪痕を残した、非凡な能力を披露している206cmのオールラウンダーだ。特に、速攻や見事なあわせのプレーから繰り出す豪快なダンクは、チームに大きな勢いを与え起爆剤として頼もしさを見せている。
まだ成長途中のアルマにとって、同じインサイド陣を構成するのがジャック・クーリー、ヴィック・ロー、アレックス・カークと経験豊富なメンバーたちなのは大きなプラスとなっている。プロ1年目の2022-23シーズンに新潟アルビレックスでプレーしていた経験がある彼はこう語る。
「2年前、ジャック、ヴィック、AK(カーク)と戦ったことがあり、彼らのことは知っています。彼らからいろいろと学ぶことができています。みんな素晴らしい人たちで一緒に過ごすのは楽しいです。そして試合になると、みんなスイッチが入っている。彼らと一緒にプレーできて嬉しいです」
さらにアルマは、「ベテランたちは、常に僕たちをプッシュしてくれます。そして自信を与えてくれる。彼らの存在は、僕だけでなくマツ(松脇圭志)、ワキ(脇真大)と若手の成長を助けてくれます」と、チーム内の雰囲気の良さに笑顔を見せる。
サイズと跳躍力を生かしたインサイドアタック、アウトサイドシュートを備えたアルマは、多彩なオフェンススキルを備えている。その中でも自身の特徴を「僕の強みはシューティングで、3ポイントが得意です。ディフェンスでは、マークして相手にくらいついてイライラさせることができます。この2つが僕における一番の武器だと思っています」と語る。
実際、ここまでアルマは平均13.3得点、5.6リバウンドに、フィールドゴール成功率53.1%、3ポイントシュート成功率42.2%、フリースロー成功率88.5%とトップシューターと言える数字を残している。1試合平均4.1本という試投数が示すように、3ポイントシュートも積極的に放っている。ハイライト映像でよく取り上げられる豪快なダンクに加え、これからは非凡な長距離砲でもより注目を集めるはずだ。
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