「ブースターが処分されるのは残念ながら初めてのケース」
2月26日、アオーレ長岡で行われた新潟アルビレックスBBと大阪エヴェッサの試合終了直後、新潟のファンが大阪の選手を手招きして呼び、「殴るフリをする」という問題が起きた。新潟は当該ファンを特定し、面談を実施。本人の謝罪を受けた上で、『無期限入場禁止』という処分を発表した。
新潟の小菅学社長は昨日、この件で会見を開いた。
「今までも暴言、不適切な発言があることはクラブとしても認識はしており、度が過ぎた部分には試合中でも注意していた」としながらも、Bリーグがスタートして初となる『観客への処分』を新潟ブースターから出してしまった責任を痛感。
「重いか軽いかは感じ方次第ですが、選手を呼び止めること自体がルール違反。相手に危害を加えようとする行為も逸脱している」と処分について語った。
ショー(興行)とはいえ、観客が求めるのはチームの戦う姿、勝利である。それを見て熱くなるのがスポーツ観戦の面白さだし、目の前で繰り広げられる激しい戦いの臨場感はアリーナ観戦の醍醐味だ。だが、スポーツの範疇を逸脱してはならない。クラブも選手も、そしてファンも、バスケットボールの戦いに興奮し、楽しむのは大いに結構だが、対戦相手に敵意を向けるのは間違いだ。
小菅社長は「相手の選手、自チームの選手、審判にも暴言など、会場の雰囲気を乱す行為については厳重に取り締まっていきたい」と、今後の再発防止に意気込む。次のホームゲームからは「コートに近い場所については職員を待機させていたが、今後はコートの四隅に職員を配置して、安全管理に努める」という再発防止対策を実施する。
クラブとしてこの問題を軽く考えず、厳しい対応を取るのはいいが、本来であれば『物々しい警戒態勢』などないに越したことはない。これは新潟に限らず、全チームのファンの心掛け次第。アリーナの雰囲気はクラブに守られるものではなく、ファンを含めた全員で作り上げていくものだ。
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