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連覇を目指すキャブスは代役の獲得が急務に

3月6日に本拠地クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたヒートとの試合。キャバリアーズの一員としてデビューを飾ったアンドリュー・ボーガットに、悲劇が起きた。

コートに立ってからわずか1分後、ボーガットはパスを受けたヒートのオカロ・ホワイトとの距離を詰めた際に接触。痛みのあまり顔をゆがめ、右足だけで歩いた後に倒れ込んだ。この光景を見ただけで軽傷ではないことは誰の目にも明らか。検査の結果、左足の腓骨骨折と診断された。

復帰時期は明らかになっていないものの、今シーズン中の復帰は難しいだろう。32歳という年齢を考えれば、NBAでのキャリアを続けられるかどうかさえ疑問に思われる。

今シーズンのボーガットはマーベリックスで開幕を迎えたものの、トレードデッドラインにセブンティシクサーズにトレードされた。だが、優勝を狙える環境を求めて契約解除を希望し、インサイドの補強が必要だったキャブズとの契約にこぎつけたのだが、あっという間に戦線離脱となってしまった。

ボーガットには不運と言うしかないが、連覇を狙うキャブスは代役探しの必要に迫られている。現時点でボーガットに代わる控えセンター候補として名前が挙がるのは、ラリー・サンダーズ、ジョシュ・スミス、アンダーソン・バレジャオ。

サンダーズはポテンシャルが高く、能力も申し分ないが、不安障害を理由に2015年に引退。本人には復帰の意思があり、キャブズも今年に入って獲得を検討したと言われている。だが、2年以上のブランクは小さくない。キャブズが連覇に貢献できる選手を希望している以上、チームが求める仕事ができる保証はない。

スミスは全盛期こそ高い身体能力を生かしたプレーで注目を集めた。だが、年齢を重ねるごとにシュートに対する執着が強くなり、シュートを打ちすぎるという批判も多い。それでもアップテンポなスタイルのチームには合致する可能性があるため、NBAファイナル2017で対戦する可能性が高いウォリアーズのスモールラインナップ対策として機能するかもしれない。

バレジャオは1年目から昨シーズン途中までの12年間、キャブズのために尽くした選手。トレイルブレイザーズにトレードされた後に解雇を求め、昨シーズン後半戦はウォリアーズと契約を結んだ。ファイナルではキャブズと激突したが、1勝3敗と追い詰められたキャブズが歴史的な大逆転勝利を収め、ウォリアーズは涙を呑んだ。

バレジャオは前半戦をキャブズでプレーしたことで優勝リング授与の資格を持っていたのだが、本人がリングの受け取りを拒んだ。34歳という年齢から肉体的な衰えも見られ、キャブズが必要としているタイプの選手ではないかもしれない。しかし、もし最後のチャンスをキャブズが与えるとしたら、粋な計らいに刺激されて思わぬパフォーマンスが見られるかもしれない。

サンダーズらを含むベテランを代役に立てるのか、それともボーガットの驚異的な回復を待つのか、もしくは若手のステップアップに期待するのか。キャブズの決断に注目が集まる。