取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎

インターハイとウインターカップの『2冠』を勝ち取った福岡第一のキャプテン、重冨周希は、双子の兄である友希とともに3月で高校を卒業し、専修大学へと進学する。次の代でキャプテンを引き継ぐのは、小野絢喜と井手拓実の2人。どちらも昨年のウインターカップでベンチ入りし、2年生ながらプレータイムも得ていた。

小野は新潟県出身、堅固なディフェンスと3ポイントシュートを武器とするシューティングガード。井手は福岡出身、スピードを生かしたゲームメークのできるポイントガードだ。

重富の代が『2冠』という偉業を成し遂げた後だけに、プレッシャーはあるだろう。去りゆく側と、託される側、3人に話を聞いた。

「周希さんを超えられるようなキャプテンになりたい」

──周希君、キャプテンを託す後輩への思いを聞かせてください。

周希 キャプテンなのでとにかくいろんなことを言われると思います。そこは厳しいと思うけど、心折れずに頑張ってもらいたいです。

──新キャプテンの2人は、キャプテンを任されてどんな気持ちですか?

井手 新人戦の県大会まで終わって、ここまで周希さんが言ったようにプレッシャーとか厳しいことたくさんあってキツいんです。それでも去年の成績を超えられる、周希さんを超えられるようなキャプテンになりたいと思います。

──周希君が2人に望むキャプテン像は?

周希 この2人は仲も良いし、2年生の中で引っ張っていかないといけない立場です。自分のこともあると思うけど頑張って、周囲にも気を使ってチームをまとめていってほしいです。

──重冨選手はどんなキャプテンでしたか?

小野 自分のこともしっかりしてるし、周りも見えていて尊敬します。

──キャプテンを2人で務めるというのはバスケでは珍しいと思いますが、どんなチームを作っていくのか、抱負を聞かせてください。

井手 今年は自分と小野が中心でやっていくので、普段の生活から自分たちでまとめて、試合中のプレーでも自分たちで引っ張っていっていくようなことを心掛けています。

──周希君はキャプテンとしていろんな経験をした1年だったと思いますが、後輩の2人へのアドバイスはありますか?

周希 チームの雰囲気が悪くなる時って自分たちにもありましたが、全員が暗くなって誰も声を出さなくなってしまうことがありました。後輩たちもそれは見てたと思います。そこは自分たちと違ってキャプテンが声をかけるよう頑張って。それができれば良いチームになると思います。

──では最後に新キャプテンの2人に、新しい代の目標を教えてください。

井手 去年は2冠したんですけど負けたので、3冠を。日本一になりたいと思います。

小野 今年の目標は全勝負けなしの3冠です。それができるよう頑張ります。