ランドリー・フィールズ

フランス人ビッグマンのアレクサンドル・サーを指名?

今年のNBAドラフトは6月26日と27日に行われる。その指名権順位を決めるロッタリーが行われ、36勝46敗の東カンファレンス10位で、全体1位指名権を引き当てる確率わずか3%だったホークスが全体1位指名権を引き当てた。2位はウィザーズ、3位はロケッツで、4位スパーズ、5位ピストンズ、6位ホーネッツ、7位トレイルブレイザーズと続く。

1位指名権を引き当てる確率が14%と最も高い下位3チームの一つであるピストンズは、昨年に続き不運に見舞われ全体5位指名権しか得られなかった。同じく14%のウィザーズは2位指名権を手に入れたが、21勝61敗のワースト3で並んだホーネッツとトレイルブレイザーズも幸運には恵まれなかった。

今年のNBAドラフトでは、昨年のビクター・ウェンバニャマのような『超目玉』となる逸材がいない。それでも全体1位指名権には意味がある。ホークスのランドリー・フィールズGMは「驚いたし、興奮した。この機会を生かし、我々のチーム作りをさらに推し進めたい」と語り、今年は不作の年だという見方を「どの年にも素晴らしい選手はいるものだ」と否定した。

1位指名が有力視されるのはフランス人ビッグマンのアレクサンドル・サーで、グリズリーズのジャレン・ジャクソンJr.やキャバリアーズのエバン・モーブリーに似た機動力と幅広いプレーを持ち味とする。レアル・マドリーの下部組織を経てアメリカへと渡り、この1年はオーストラリアNBLのパース・ワイルドキャッツでプレー。平均17.2分の出場で9.7得点、4.4リバウンドを記録している。

ホークスでは先発センターのクリント・カペラの契約が残り1年となっており、29歳で伸びしろの見込めないカペラとの契約を延長するよりも、この1位指名権を使って新たな先発センターを獲得し、カペラをトレードに出すほうが合理的だ。ただ、他の上位指名権を持つチームが再建中なのに対し、ホークスは勝ちに行かなければいけないシーズンで失敗しており、エースのトレイ・ヤング、それに続く存在のデジャンテ・マレーの放出も含めたチームの大改革に乗り出す可能性もある。今オフどんな方針で動くにせよ、この全体1位指名権には利用価値があり、それを最大限に生かすのがフィールズGMの仕事だ。

「いろんなタイプの選手がいるから徹底的に調査して、ありとあらゆる可能性を探るつもりだ。そして6月のドラフトを迎えたい」とフィールズGMは語る。ホークスにとっては散々なシーズンだったが、最後に『次に繋がる』幸運を引き当てた。