就任1年目の今シーズン、Gリーグのコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞

現地時間3日、ホーネッツはスティーブ・クリフォードヘッドコーチの今シーズン限りでの退任と、フロントオフィス入りを発表した。『ESPN』はホーネッツが後任候補の一人として、Gリーグのストックトン・キングスで指揮を執るリンジー・ハーディングとの面談許可を求めていると報じている。ハーディングがホーネッツの新指揮官になった場合、NBA史上初の女性ヘッドコーチとなる。

39歳のハーディングはデューク大出身で、2007年のWNBAドラフト全体1位でフェニックス・マーキュリーに指名された。2016年シーズン終了後に引退するまで6チームを渡り歩き、WNBA通算270試合出場で平均9.8得点、4.0アシストを記録。2011年にはアトランタ・ドリームの中心選手としてファイナルの舞台に立っている。

現役引退後はセブンティシクサーズやキングスの育成コーチ、さらに南スーダンやメキシコ女子代表のヘッドコーチを務めるなど様々な経験を経て、今シーズンからキングスでヘッドコーチに就任。そして1年目で、チームをウェスタンカンファレンスファイナルへと導くと『コーチ・オブ・ザ・イヤー』を受賞した。

これまで最もNBAヘッドコーチに近づいた女性コーチといえるのが、かつてスパーズのアシスタントを務め、2022年からはWNBAラスベガス・エイシーズのヘッドコーチとしてチームを連覇に導いたベッキー・ハモンだ。彼女はNBA初となるフルタイム契約の女性コーチングスタッフとなり、何度かヘッドコーチ候補としての面談を受けている。

今回、ホーネッツの新ヘッドコーチ候補には、ジョディ・ヘルナンデス(キングス)、デイビッド・アデルマン(ナゲッツ)、チャールズ・リー(セルティックス)、ケビン・ヤング(サンズ)といった他チームのアシスタントの名前が挙がっている。現実的にいえば、ハーディングは候補者レースの中で大穴だ。だが、まずは候補者として面談の段階にたどり着くこと自体が大きな前進である。NBAの長い歴史の中で新たな扉を開く先駆者となるのか、これからのハーディングの動向に注目だ。