テーブス海

ぶっつけ本番のコンボガード起用「合宿中は1回もそういう話はなかったです」

バスケットボール男子日本代表はFIBAアジアカップ2025予選Window1で、グアム、中国を相手にホームで連勝を飾った。特にワールドカップをともに戦った渡邊雄太や富永啓生ら海外組が不在の中で、アジアの難敵である中国に勝利したことは大きな意味がある。

中国戦で大活躍だった馬場雄大、ジョシュ・ホーキンソンを筆頭に、河村勇輝や比江島慎など、この2試合で日本を牽引したのはワールドカップ2023の主力選手たちだった。そんな中、ワールドカップ不出場組で、最も大きなインパクトを与えたのがテーブス海だ。

テーブスは2試合とも、本職のポイントカードというより、同じ司令塔の河村、富樫勇樹と一緒にコートに立ちコンボガードとしてプレー。そして、持ち味のフィジカルなドライブから味方のシュートチャンスを生み出していった。特に中国戦では11分52秒のプレータイムで5得点4アシストを挙げ、出場時の得失点差を示す数値はチームトップの+10を記録。テーブスの存在は確かに日本のオフェンスに良いリズムをもたらしていた。

中国戦でのプレーについて、テーブスはこう振り返る。「第2クォーターの途中から出場して、どうにかチームに貢献したいという思いでした。すぐにトム(ホーバス)さんが、僕がドライブするプレーコールをしてくれたので、これはもうチャンスなんだと。そこでジョシュ(ホーキンソン)のダンクに繋がるプレーとなったことで、試合の流れに溶け込むことができました。そこからは自信を持って積極的に攻めることができました」

ちなみにコンボガードとしての練習は、今回の合宿で「全くなかったです」とテーブスは明かす。だからこそ、即興で指揮官のリクエストに応えられたことも大きな手応えとなった。「合宿中は1回もそういう話はなかったです。その中で、対応できたところは良かったです」

ホーバスヘッドコーチは、テーブスをコンボガードで起用した意図をこう語っている。「海はコントロールもできて身体が強い。海と『ダブルユウキ(河村と富樫)』のどちらかが一緒にコートに立つと、ダブルユウキは2番ポジションのようにプレーして、得点のチャンスが増えると思います」

テーブス海

「ワールドカップの直前に落選した悔しい気持ちは、今の代表活動の原動力に」

実際、指揮官の期待通りにテーブスのドライブによるキックアウトから3ポイントシュートに繋がるプレーが生み出されていた。また、ホーバスヘッドコーチは「海はワールドカップに出場できなかった悔しさもあったと思う。でも、この経験が成長の役に立ち、本当にいろいろと考えています」とテーブスの進化について言及する。

そして、テーブス本人も「ワールドカップの直前に落選した悔しい気持ちは、今の代表活動の原動力になっています。パリ五輪のメンバーには絶対に入って、ベスト8を目指す熱い気持ちでやっています」と、昨夏の悔しさをモチベーションに変えていると語る。

今の日本代表において司令塔のポジションは、河村と富樫が頭一つ抜けている。だからこそ、3番手には2人にはない個性が求められる。その意味でもテーブスがグアム戦、中国戦で見せたプレーは大きな価値がある。「やはりヘッドコーチから要求された役割を果たせたところで、信頼も勝ち取れたと思います。次にまた呼ばれた時、どういった形で試合に出させてもらえるかは分からないです。またコンボガードで出るなら、今日のようなプレーをする。1番で出るならゲームコントロールをしながらペースを保つようなプレーをするなど、コーチから何を言われても対応できるような選手になりたいです」

このようにテーブスは今回の代表活動を総括した。ホーバスヘッドコーチは女子代表の指揮を執っていた際に、本橋菜子を起用するなど、突破力に優れた司令塔をコンボカードとして採用する戦略を好んできた。自身が言うように『何を言われても対応できる選手』になれれば、パリ五輪メンバー入りの可能性は高いはずだ。