「プレーオフで旋風を巻き起こして、今シーズンを良い形で終えることにフォーカスしている」
ブルズのアンドレ・ドラモンドは、オールスターブレイクの前まで55試合出場、平均16.7分のプレータイムにとどまっているが、平均8.1得点、8.6リバウンドと効果的なパフォーマンスを見せている。大黒柱ザック・ラビーンの戦線離脱など故障者に苦しむチームが、ここまでイースタンカンファレンス9位の26勝29敗とプレーオフ圏内にとどまっているのは、ドラモンドの奮闘も大きい。
しかし、30歳のベテランセンターは今シーズン終了後にはフリーエージェントとなる。今のNBAにおいてビッグマンの需要は少ないといえ、今シーズンの年俸336万ドルからどのような変化が起こるのか注目の存在だ。
ドラモンドは、「オフシーズンに何が起こるのか楽しみだよ。どんなチームが僕を戦力として見てくれていても準備はできている」と語る。だが、今はチームをさらに押し上げ、ポストシーズンに進出することしか意識していない。「もちろん今はこのチームにいるし、シカゴのことが大好きだから、まだここにいたい。だから、プレーオフで旋風を巻き起こして今シーズンを良い形で終えることにフォーカスしている」
ブルズにとってリーグ再開後の最初の相手はセルティックスとなる。11月末に行われた前回の対戦は、イン・シーズン・トーナメントに組み込まれていた。次のラウンドで勝ち上がるために得失点差が重要だったセルティックスは、第4クォーター中盤、大量リードの場面でフリースローが苦手なドラモンドにわざとフリースローを打たせる『ハック』の戦術をとった。
この行為には「試合への敬意に欠ける」と批判が殺到し、セルティックスのジョー・マズーラヘッドコーチはドラモンドとブルズのビリー・ドノバンヘッドコーチへと謝罪したが、ドラモンドは「ムカつくことはなかったよ」と言った。
「試合後、彼が私に謝りにきた時、こう伝えた。『あなたはやるべきことをやり、試合に勝とうとしていた。そして、僕はシュートを決めないといけない』。僕がフリースローを外したからといって、彼が気の毒に思う必要はない。僕はバスケットボール選手として自分の仕事をして、ノーマークのシュートを決めないといけない。それがフリースローなんだ」
ちなみにドラモンドのフリースロー成功率はキャリア通算47.8%だが、今シーズンは55.6%となっている。今後、ドラモンドが確率良くフリースローを決めることで、彼の出番は自然と増えていくはずだ。