「最初から私がプッシュして、みんなをスピードに乗せていく」
女子のパリ五輪世界最終予選(OQT)がいよいよ今日からスタートする。対戦相手のスペイン、カナダ、ハンガリーはフィジカル、サイズで日本を上回っており、日本にとってはいかにスピードでかき回すことができるかが大きな鍵となる。
そして、日本のテンポを上げていくトリガーとなるのが宮崎早織だ。これまで司令塔の一番手だった山本麻衣がより積極的にシュートを打っていくコンボガード的な役割を担うことに伴い、今大会のオフェンスの舵取り役として宮崎は中心となる。
前日練習を終えた後、宮崎は「めちゃくちゃ緊張していますよ(笑)」と語ると、負けたら五輪に出場できなくなる今大会は、これまでと違う重圧があると続ける。「東京五輪の時はお客さん感が強くて、特に緊張とかはなかったです。ここにきて絶対に負けられない戦いで自分がメインのポイントガードになるのは驚いています。その分、絶対に勝たないといけないプレッシャーは出てきています」
そして、自身の役割を次のように意識している。「最初から私が先頭を切ってプッシュして、みんなをスピードに乗せていく。それを40分間続けることがポイントだと思います。自分の武器であるスピードをしっかり出して、先頭を切って進めたいと思います」
元々、宮崎は緊張するタイプと普段から語っているが、OQTはこれまでにない大きなプレッシャーと向き合うことになる。だが、1人でその責任を背負い込むことはない。「控えにいてくれるガードの安心感は心強いです。だからこそ、まず自分が相手を疲れさせてリュウさん(吉田亜沙美)だったり、リュウ(川井麻衣)に繋げたい気持ちでやっていきたいです」
また、世界の難敵相手に、日々のトレーニングの成果を見せるにはこれ以上ない舞台ととらえている。「チャレンジャーとして、海外の強豪相手にも戦えるメンタル、フィジカルをずっと鍛えてきました。その成果を披露する場がここだと思います。やっぱり(出場機会が少なくて)五輪の時に悔しい思いをしていますし、(2022年の)ワールドカップから成長して世界と戦える場所に戻ってこられたという思いがあります。今回、しっかり活躍して良い結果を日本に持って帰りたいと思います」
東京五輪以降、宮崎は代表の常連となり実績を残し続けることで、今回のメインのポイントガードという大役を勝ち取った。ここまでコツコツと成長を続けてきた恩塚亨ヘッドコーチ体制の日本代表の象徴として、OQTでの大爆発を日本中のバスケットボールファンが期待している。