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終盤の勝負どころで若手ビッグマン、キャンターが活躍。

2勝2敗で迎えた第5戦。前回の試合では終始スパーズにリードを許したサンダーだが、今回は第1クォーター序盤からペースを掴む。ケビン・デュラントのジャンプショットを皮切りにラッセル・ウェストブルックも続き、取るべき選手が得点を重ね9-2のランを決めるなど先手を取ったが、その後は両エースのターンオーバーなどミスが増え、クワイ・レナードに第2クォーターだけで13得点を許し、スパーズに主導権を明け渡す。

後半に入っても流れは変わらず、ダニー・グリーンに連続3ポイントシュートを決められビハインドは12点に広がる。だが、ここからサンダーは気持ちを入れ替え、2人のエースに頼るのではなくチーム全体での応戦を始める。ランディ・フォイやスティーブン・アダムスがシュートを沈め、スパーズに的を絞らせずバランス良く得点を重ね、3点差まで追い上げて最終クォーターを迎える。

流れは再びサンダーに来ていたが、堅守を誇るスパーズもそう簡単には食い下がらない。第4クォーターは序盤から一進一退の攻防を見せる。最大でも6点しか離れず、一つのミスが勝負を左右する展開の中で違いを見せたのは、サンダーの若手ビッグマン、エネス・キャンターだった。

残り2分19秒、キャンターが同点となるレイアップを決めると、さらにスパーズの大黒柱ティム・ダンカンをブロックし、デュラントのシュートミスをそのままティップして90-88と勝ち越しに成功。実に第1クォーター以来のリードを奪う。

すぐに追い付かれるも、残り54秒でファウルをもぎ取ったデュラントがフリースロー2本を確実に決める。これに対し、スパーズはトニー・パーカーが同じく2本のフリースローを獲得するが、1本をミスして92-91と追い付けない。

残り時間9秒でサンダーのボール。ファウルゲームに持ち込もうとするスパーズだが、これをウェストブルックがスピードで振り切り、レイアップをねじ込んでさらにはバスケットカウントも獲得。このボーナススローもしっかり沈めてスコアは95-91。このままタイムアップとなった。

ウェストブルックは35得点11リバウンド9アシストとトリプル・ダブル級の活躍。23得点のデュラントも勝負どころで強さを見せた。だがこの日のサンダーでは、8得点13リバウンドのキャンター、12得点11リバウンドのアダムスの働きも見逃せない。チームが噛み合った上で、2枚看板が活躍してスパーズに競り勝つという会心の勝利だった。

これで対戦成績を3勝2敗としたサンダー。難攻不落のAT&Tセンターで2勝をもぎ取ったのは大きい。次は12日、ホームに戻っての第6戦。ここで勝てば「2強」の一角であるスパーズを下し、ウォリアーズに挑戦することになる。