ステフィン・カリー

「壊れたレコードみたいな姿は見せたくない」

ウォリアーズでは先日、プレータイムが安定しないことに腹を立てた3年目のジョナサン・クミンガが、メディアの前で起用法への不満を漏らす『事件』があった。アンドリュー・ウィギンズとクミンガの相性が悪く、指揮官スティーブ・カーはそれを気にしてどちらか一方をベンチに残していた。現地1月4日のナゲッツ戦、クミンガはそのため第3クォーター残り6分から試合終了までベンチに座り続け、チームの大逆転負けを見守ることになり、怒りを爆発させたのだ。

それでもチームの対応は早く、チームリーダーのステフィン・カリーがクミンガをたしなめ、メディアに不満を語ることはウォリアーズにとっても彼自身にとってもポジティブなことにならないと指摘した。自らの非を認めたクミンガは、指揮官カーとも話し合いの場を持ち、会話を交わすことで問題は解消した。

「プレータイムの話はしなかった」とクミンガは言う。「僕はコーチに、どうすれば自分がもっと良い選手になれるか、チームに貢献できるのか教えてもらった。お互いに会話をして、理解を深められたと思う」

そんなクミンガを見て、カリーは「プレーしたいと感じることは間違っていない」と擁護もしている。「だけど、その話を表に出すべきじゃない。自分の意見を言いながらチームの雰囲気を壊さない方法はあるんだから、そうすればいい。いずれにしても、プレーしたいという彼の気持ちは理解できるよ」

ウォリアーズにはいまだ問題が山積みだ。クリス・ポールは現地5日のピストンズ戦で左手を骨折し、手術をしたが4週間から6週間の離脱となる。復帰はトレードデッドライン前後。ピストンズ戦がウォリアーズでの最後のプレーとなる可能性もある。

そして、クミンガの問題も解消はしていない。出場機会に対する不満は消えたが、ウィギンズとクミンガの相性は、気持ちを切り替えたぐらいでは解消しない。ピストンズ戦で2人はわずかな時間だがまずまずのプレーを見せた。しかし、現地7日のラプターズ戦で2人を先発で並べると、やはり相性の悪さが露呈した。ディフェンスが崩壊して前半だけで76失点を喫し、ハーフタイムに入った時点でチェイス・センターは大ブーイングに。第3クォーターに多少持ち直したものの第4クォーターに突き放され、カーは早々に主力を下げて白旗を掲げた。

118-133で敗れ、これで17勝19敗。クリス・ポールは完璧なフィット感を得られないまま戦線離脱し、相棒のクレイ・トンプソンはいつまでたっても復調せず、ドレイモンド・グリーンはベンチに戻ってハドルには加わったものの、プレーで貢献できるわけではない。若手は伸び悩み、助っ人となるベテランも不在の状況で、カリーもどう希望を見いだしたらいいか苦悩している。

「今日みたいな試合が続くと心配になる。でも僕は困難に向き合うと燃える性格だし、今回も自分らしい方法で乗り越えたい。今日は上手くやれなかったけど、正しいメンタリティを失わず、正しいアプローチで立ち直りたいと思っている。そうじゃなきゃ同じことの繰り返しだ。壊れたレコードみたいな姿は見せたくない」

試合中に対戦相手を殴って無期限出場停止の処分を受けているドレイモンド・グリーンはチームに合流したが、いまだ復帰時期は未定。カリーはグリーンの早期復帰を願うとともに「彼が戻って来ればすべてが解決するわけじゃない。チームとして抱えている問題からは逃げずに対処し続けるつもりだ」と語った。