宮里俊佑

22得点を記録も「流れを持ってくることができなかったのは、エースである自分の責任」

U15チームの日本一を決めるJr.ウインターカップ2024が1月4日からスタート。高校のみのウインターカップと違い、Jr.ウインターカップでは中学、Bリーグのユース、クラブチームなど様々な背景を持ったチームが集う。特に男子では全国中学校バスケットボール大会で上位進出の中学と、ユースやクラブチームの強豪が激突するのが見どころだ。

大会2日目の本日、今年度の全中で4強入りした京都精華中と琉球ゴールデンキングスU15が対戦し、要所での決定力で上回った京都精華が66-50で勝利した。

最終的には15点の大差となったが、終盤までもつれる激闘だった。京都精華が第3クォーター終盤に45-32と突き放す中、琉球U15はトランジションからのアタックで詰め寄り、残り3分半の時点で4点差にまで肉薄する。だが、京都精華はこの踏ん張りどころで3ポイントシュートを連続で決めてすぐに突き放すと、そのまま守備の強度を保って逃げ切った。3ポイントシュート14本中7本成功の京都精華に対し、琉球U15は15本中3本成功だったように、外角シュートの精度が勝敗に大きく影響した。

敗れはしたものの、琉球U15の2年生ガードである宮里俊佑は、181cmのサイズと非凡なボールハンドリング能力による鋭いアタックで22得点と奮闘した。後半の追い上げは、宮里の打開力によって生み出されたモノだったが、本人にそういった達成感は全くない。特に前半はシュートミスが続いたことで、エースの役割を果たせなかったと、涙を流しながら自身のプレーを次のように振り返る。

「京都精華さんのディフェンスは上手かったですし、当たりも強くて、なかなかドライブに行けなかったです。それは自分の実力不足ですし、流れをチームに持ってくることができなかったのは、エースである自分の責任だと感じています。ハーフタイムでしっかり気持ちを切り替えて後半は得点を取れました。ただ、前半のミスが後半に響いてしまいました。本当に申し訳ないと思っています」

宮里俊佑

「キングスの選手として沖縄アリーナの大きい舞台に立ちたいです」

宮里にとっては後悔ばかりの今大会となったが、中学1年生の時からトップチームの練習に参加するなど、早くから評価される非凡な才能の片鱗はしっかりと示した。特に緩急をうまく使ったドライブは、相手ディフェンスを苦しめた。

「ドライブからの崩しは、自分の中でしっかりとリズムを持っています。全中ベスト4の京都精華さんに通用したところもあれば、まだまだ足りないところもいっぱい感じることができました」

こう振り返る宮里は、自身の武器であるドライブについて「岸本隆一選手のズラしてからのスピードは真似をしています。岸本選手のワークアウトにも参加させてもらったことがあります」と、親交のある琉球の象徴の動きを参考にしている。

小学生の時には琉球のバスケスクールに通いU15に加入と、琉球一筋の宮里は当然のように「キングスの選手として沖縄アリーナの大きい舞台に立ちたいです」と目標を明かす。そして昨シーズンの琉球のBリーグ制覇について、「チームでしっかり戦って勝ち取った日本一は僕たちにも刺激になりました」と語るなど、琉球のチームカルチャーはすでに染み付いている。

また、持ち味であるドライブは、次のNBA選手の動きを取り入れてさらに磨きをかけたいと考えている。「理想とする選手はケイド・カニングハム選手やルカ・ドンチッチ選手で2人のような緩急あるドライブを真似したいです」

宮里はエースであり、ポイントガードも担っている。司令塔を務めることで、パスをさばくことを重視する選択もあるが、宮里はスコアリングガードであることにこだわる。チームから点を取りに行くことを求められているだけでなく、将来を見据えて次の強い思いがある。

「河村選手、富樫選手も岸本選手も得点のとれるポイントガードです。今の時代はそういった選手にならないと世界、そしてBリーグでもやっていけないと思います」

今大会の宮里は、全国トップレベルの厚い壁に跳ね返されたが、最終学年となる来年が楽しみとなるプレーを見せてくれた。ユース組織出身の選手の誕生を重視する琉球において、将来が楽しみな原石がまた1人、出現したことは間違いない。