ケイド・カニングハム

前半に19点をリードするも逆転され、延長で力尽きる

前半を終えてピストンズが66-47と19点リード。セルティックスの開幕から続くホーム無敗記録は15試合で途切れるかと思われた。そして、それよりもずっと注目される記録、ピストンズの連敗も27で止まるはずだった。

しかし、ピストンズは第3クォーターに失速する。セルティックスのシュートが当たりだしたことで焦ってミスが増え、セルティックスファンの盛り上がりにリズムを崩し、第3クォーターを通じて立て直すことができずに19点のリードを溶かして同点とした。リバウンドでは上回り、ポゼッションの回数で上回るも、十分なチャンスを作らないままのシュートの早打ち、そしてこのチームの課題であり続ける簡単なターンオーバーで崩れていった。

ケイド・カニングハムとジェイデン・イーベイの奮闘で食い下がり、逆転された第4クォーターの最後にはカニングハムのシュートミスをボーヤン・ボグダノビッチがティップショットで押し込んで、何とか追い付いて延長へと持ち込む。ただ、もう戦う力は残っておらず、最終スコア122-128で敗れた。

これでピストンズの連敗は28に。単一シーズンでの連敗記録は、これまでの26をすでに超えた。2シーズンにまたがっての連敗記録は2014-15シーズンから翌シーズンにかけてセブンティシクサーズした28連敗。ピストンズはここに並び、2日後のラプターズ戦に敗れれば不名誉な新記録を打ち立てる。

ピストンズを率いるモンティ・ウィリアムズは、もうずっとそうしているのと変わらず選手たちの健闘を称えた。「選手たちは毎日必死に練習し、強い気持ちでバスケに向き合っている。今はSNSで自分たちがどう言われているかすべて分かる。雑音については手の打ちようがない。選手は苦しんでいるし、それを見ている私も苦しい。ただ、ターンオーバーを除けばあれだけの気迫でプレーしていることは今後に繋がるはずだ」

カニングハムは43分のプレーで31得点6リバウンド9アシストを記録。どれだけ活躍しても勝てない状況は大きなフラストレーションとなっており、ようやくそこから抜け出せると思ったところでの逆転負けだけに、彼は沈痛な表情で「第3クォーターに集中を欠いたことで、大きな代償を払うことになった。必死に戦っただけに負けは辛い」と語る。

前半に22得点を挙げたカニングハムだが、その第3クォーターは無得点。「ピック&ロールに対応されて僕がシュートを打てなくなった。後半は一度もピック&ロールからきれいなチャンスが作れなくなったように思う。それは僕の責任でもあり、何か打開する方法を見つけ出さなきゃいけなかった」

第3クォーター、ピストンズが劣勢に転じるとボストンのファンは大騒ぎ。負けに負けていることで平常心を保つのはいつもの何倍も難しい。選手たちは浮足立ち、自分たちのリズムを取り戻せなかった。

「観客は大騒ぎだったね。このアリーナにはリーグでも屈指の熱いファンがいる。僕は相手チームが観客の盛り上がるのも嫌いじゃなくて、自分のエネルギーに変えられると思うんだけど、今日の第3クォーターの圧力はすさまじかった。でもこれも経験だ。きっちり対処できるようにならなきゃいけない」

カニングハムは「連敗を止める、1勝を挙げることが目標じゃない。それじゃ意識が低いと思うんだ」と言う。「僕らはこの負けからも学んでみせる。試合をコントロールし、自分たちの戦い方を見いだし、選手同士を上手く組み合わせて、継続して勝てるチームを作る。それを追い求めているんだ」