髙田真希

決勝で7連敗中のENEOSとの対戦も「こだわりは正直ないです」

皇后杯準決勝の2試合目、デンソーアイリスvs富士通レッドウェーブは堅いディフェンスでリズムをつかんだデンソーが85-63で圧勝した。悲願の初優勝に向け、明日の決勝でENEOSサンフラワーズと激突する。

試合の立ち上がりから、デンソーは足がよく動くプレッシャーの強いディフェンスで、富士通の持ち味である長距離砲を抑える。さらにリバウンド争いを制し、第1クォーターだけで5本のオフェンスリバウンドと分厚いオフェンスを展開することで得点を重ね、24-10と見事な先制パンチを食らわせた。

なんとか追い上げを図りたい富士通だが、一昨日の試合途中に足首を捻って戦線離脱となった町田瑠唯の不在も響いてか、オフェンスに本来の流動性が生まれない。デンソーが16点をリードして前半を終えたが、第3クォーターに入ってもデンソーのペースは続く。トランジションからのテンポの良いボールムーブで守備のズレを作り出しては、高確率でシュートを決めることで富士通を圧倒。第4クォーターを前に、リードを25点にまで広げて楽々と逃げ切った。

デンソーの大黒柱である髙田真希は3ポイントシュート3本成功を含む23得点6リバウンド3アシストと見事なプレーを披露。第3クォーターだけで9得点を挙げて早々に勝負を決める立役者になるなど、要所で着実に得点を積み重ねた。

デンソーは質の高いチームオフェンスが光ったが、髙田はそれ以上に堅守がもたらした勝利だったと振り返る。「ディフェンスがすごく良かったです。ディフェンスからプレッシャーをかけてミスを誘い、ブレイクに持っていくのがウチのスタイルでそれを徹底できたと思います」

デンソーであり、髙田にとっても皇后杯決勝は8度目だが、過去7度はすべてENEOSと戦い敗れている。髙田にとってENEOSは悲願のタイトル獲得へ避けては通れない大きな壁となっている。しかし、髙田は「ここまで来たらENEOSを倒して初優勝したいと思いますか?」というこちらの問いに対し「そういうこだわりは正直ないです」と、あくまで自然体だ。

「どこが相手でも自分たちのやることは変わりません。結果的に相手がENEOSさんになっているだけかなと思います。(初優勝への)プレッシャーもないです。自分たちのバスケをやるだけです」

そして、決勝に向け、意識するべきことを次のように強調する「この2試合、相手をロースコアに抑えることで、自分たちの良い流れに持っていけました。いかに相手のペースでやらせないことが重要で、しっかりディフェンスを徹底していくのが勝利の鍵だと思います」

髙田が言及したように、ベスト8のトヨタ紡織戦は72-43、今日は85-63と、デンソーは守備で主導権をつかんできた。渡嘉敷来夢を中心にしたENEOSの強力オフェンスを相手に引き続き堅守を見せられるのなら、8度目にして初の優勝も達成できるはずだ。