ジェームズ・ハーデン

カワイ・レナードはケガを克服、チームは前進し始める

セブンティシクサーズからクリッパーズにトレードされたジェームズ・ハーデンは、移籍にまつわるトラブルで評価を下げたが、そのことを気に病んではいない。『The Athletic』の取材に応じたハーデンは、良い年俸をもらいながら優勝を狙えるレベルでバスケを続けることが最優先だと語った。「ここ数年の僕は、チーム内での役割も金銭的なものも多くのことを犠牲にしてきた。僕はただ前進したいだけなんだ」

ハーデンによれば、シクサーズのダリル・モーリー球団社長はマックス契約を提示すると約束し、それを反故にした。「ダリルとは長年良い関係にあった。これまで10年以上、プレーオフで負けた後の数週間は『どうすればチームを良くできるか』を話し合ってきたけど、今年に限っては何の連絡もなかった。僕だって馬鹿じゃないから、その時点で何が起きているのか察したよ。結局それはNBAのビジネスであり、彼がクラブにとってベストな選択をしなければならないのと同じで、僕も僕自身と家族にとってベストな選択をしなければならない」

加入からしばらくクリッパーズは負け続けたが、次第にリズムをつかみつつある。9勝10敗と負け越している現状は決して良いものではないが、過度に悲観的になる必要もない。逆風の中でもハーデンは落ち着きを保ち、いずれ状況は良くなると信じた。

「良い兆候が見えても、不運な形で負けることはしばしば起こる。でもシーズンはまだ続く。どの試合にも勝ちたいけど、ポストシーズンに向けてこのチームがどんな姿を見せるのか。それが一番大事なことだ」

まだクリッパーズの先行きは見えないが、ここからずっと良くなる可能性は高い。先日、カワイ・レナードは「右膝のケガとは2016-17シーズンからずっと付き合っている。ラプターズで優勝した時もそうだった。でも今は試合後に何の痛みも感じない。このまま続けていきたい」とケガの克服を宣言した。ハーデンがフィットするかどうか以上に重要なカワイのコンディションが良好なことは、間違いなくクリッパーズにとって良い兆しだ。

ラッセル・ウェストブルックに代わり先発となったテレンス・マンは、スーパースターに囲まれる中で自分の役割を理解して存在感を発揮している。イビチャ・ズバッツは言う。「オフェンスリバウンドを与えず、セカンドチャンスポイントを与えない。トランジションで戻って、ターンオーバーをしない。それだけできれば、ウチはかなり強いよ」

指揮官タロン・ルーにも迷いはない。「将来の殿堂入り選手が4人もいるチームを機能させるのは、過去に例を見ないほどの難しさだ。でも、だからこそ遣り甲斐があるというものさ」

ハーデンはシクサーズとのトラブルを過去のものとし、前へと進み始めた。クリッパーズはようやく自分たちのリズムで前に進み始めている。