営業収入トップはアルバルク東京で約27億円、2位が千葉ジェッツの約25億円
Bリーグは11月22日、各クラブの2022-23シーズンにおける決算発表を行った。営業収入の合計は415億(B1合計:341億円、B2合計:74億円)と前年比で38.3%増となった。ただ、営業費用も440億円と39.6%と増加している。また、トップチームの人件費が36%増加と、各チームとも収入アップがそのまま戦力強化の費用として使われる傾向が見えている。
そして、チーム毎の営業収入のトップ5は以下の通り。
※大半のチームが6月決算だが、A東京、SR渋谷、川崎、三遠、三河、FE名古屋、名古屋D、大阪、島根、山形、長崎に関しては3月決算など6月ではない。
1位:アルバルク東京 26億9,726万円
2位:千葉ジェッツ 25億1,000万円
3位:琉球ゴールデンキングス 23億7,597万円
4位:川崎ブレイブサンダース 21億8,433万円
5位:宇都宮ブレックス 17億9789万円
1位のA東京はスポンサー収入が22億4,631万円と傑出していて、同収入で20億円超えはA東京のみ。10億円越えは千葉J(13億6,997万円)、と群馬(11億2,099万円)で、9億円越えは名古屋D(9億7,319万円)、広島(9億3,759万円)、滋賀(9億487万円)と続く。
一方、島田慎二チェアマンも収入の肝として特に重要視しているチケット収入は、琉球が10億1,466万円で1位となり、唯一の10億円突破で他チームを大きく引き離している。コロナ禍が去り、シーズン開幕から入場制限なく沖縄アリーナを使用できたことに加え、招待券などの動員を極力減らし、しっかりとチケットを売ってきた成果だ。2位以下は千葉J(5億8,766万円)、川崎(5億2,343万円)、宇都宮(4億8,802万円)、横浜BC(3億302万円)と続いている。
そして、チケットの購買意欲を大きく削ぐ、昨今のシステムトラブルについてチェアマンは「あってはならない話しで忸怩たる思いです」と語った。これまでの事例を教訓としてトラブルの最小化を目指して日々取り組んでいることに加え、新リーグのBプレミアがスタートする2026年までには、さらなる改善のためチケットシステム、データベースの抜本的な改善を行っていきたい意向を表明した。リーグとしては、大きな危機感を持ってこの問題に取り組んでいることを強調している。
また、トップチーム人件費を見ると、1位がA東京の12億7,315万円。2位以下は千葉J(9億8,767万円)、島根(8億7,625万円)、琉球(8億4,870万円)、三遠(8億1,590万円)、宇都宮(7億5,586万円)となっている。人件費の高いチームが好成績を残す傾向はあるが、チャンピオンシップでセミファイナル進出を果たした横浜BCは4億2,754万円と低く、コストパフォーマンスの面で優れていたことが示されている。
全体的な印象として各チームとも収入は上がっている一方で、2026年からスタートするBプレミア入りの参入条件をクリアするために、身の丈以上と言えるような積極的投資を行っているようなチームも少なくない。そういったチームが、Bプレミア入りを果たせなかった場合、経営規模を縮小する懸念もある。ただ、そうした事態を避けるために「エクスパンション制度とし、初年度以降でも加入できるようにしました。各チームが常に上を目指すモチベーションを下げないようにしています」と、島田チェアマンは言う。
今後、各チームは引き続き収入を伸ばしていくだろう。そして、トップチーム人件費だけでなくクラブスタッフの人件費も増やす余地が生まれ、プロバスケットボールクラブがより良い労働環境になっていくことが目指すべき姿となっていく。