アンダーカテゴリーで経験を積んだ22歳がリオ行きへ猛アピール。
昨日のオーストラリア第2戦、その後半にコートに立ち、日本代表デビューを果たした藤岡麻菜美。第1戦では出場機会がなかったが、この日は試合前から「行くぞ」と声を掛けられていたそうで、いつ出番がやって来てもいいように準備を整えていた。
前半は劣勢が続いていたが、ベンチから戦況を見つめて自分のやるべきプレーをイメージしていた。「今日はペイントエリアが広く使えていたので、チャンスがあれば自分もドライブで寄せて、キックアウトパスを使ったり。後半は徐々に3ポイントが決まり始めていたので、自分に引き寄せてパスして3ポイントのチャンスを作っていきつつ、中にパスを入れて展開していこうと」
デビュー戦ではあったが、アンダーカテゴリーで豊富な実績を誇る藤岡は臆することなくプレーした。途中出場でコートに立った時も「ベンチにいる時は緊張しましたが、立ってボールを触ると落ち着きました」と振り返り、「すごく楽しかったです」と笑顔を見せた。
相手はFIBAランキング2位のオーストラリア。前半は日本代表が圧倒される展開だったが、それでも藤岡は臆することなくプレーを「楽しみ」、重心の低いドリブルと素早い展開という自分の持ち味をしっかりと出し、さらにはポイントガードとして先輩であるチームメートたちを操った。
前半はオーストラリアに圧倒されて静かだった代々木競技場第2体育館のスタンドは、後半の日本代表の攻勢に大いに沸いた。藤岡も出場時間は8分と決して長くないが、十分なインパクトを残したと言える。
「手応えはありました」とデビュー戦を振り返る藤岡に「100点満点で何点?」と質問すると、やや悩んだ後に返って来た答えは「50点です」。もっと長くプレーしたいし、もっと良いプレーをしたいという気持ちなのだろう。
今日の第3戦、消耗の少ない藤岡にはより多くのプレータイムが与えられる可能性が高い。リオ五輪本大会のメンバー枠12人を巡るチーム内競争はまさしく今がクライマックス。藤岡に限らず、すべての選手が自分の持ち味を出してアピールすべく、全力でプレーしている。