『KICK OFF TOURNAMENT』のチャンピオンに輝き、世界に対して強さを見せる

将来の『NBA選手』輩出を目指して、世界(GLOBAL)と勝負できるバスケットボール選手(BALLER)の発掘・育成をする『GLOBALLERSプロジェクト』。プロジェクトの今期は中学2年生を含む7名の選手がTeam GLOBALLERS JAPAN(以降はGLOBALLERS)としてアメリカに挑戦。今回はプロジェクトスタッフの視点を通して、その選手たちがこの11日間の挑戦で何を感じて、得たのかに迫った。

9月15日、GLOBALLERSはバスケットボールの本場アメリカに降り立つ。その日は移動の疲れもあり、コーチBanglee氏、MARU氏のスキルトレーニングとゾーンディフェンスのトレーニングに留める。翌日は大会への参戦によってアメリカ挑戦の幕を開ける。選手たちは一つでも多く勝つために、コーチ陣のトレーニングをよく見て、よく聞き、自分のモノにしようと力を込めていた。

2日目、アメリカの強豪チームが集結する『KICK OFF TOURNAMENT』へ参戦。勝ち負けにこだわる現地の選手たちの気迫をまざまざと感じているようだった。そんな中での初戦、GLOBALLERSがアメリカのチームに勝利。続いて2戦目、慣れない異国の環境の中ペイントエリアではフィジカルの強い選手に阻まれシュート精度が落ち、リバウンドも取れない。この苦戦を大森来玖は「スキルは勝っているのに何で点差が動かないんだろう。日本ではあまり感じない、球際のバトルで負けているからだと思いました」と振り返っている。対戦相手のフィジカルの強さに圧倒されるが、2回のオーバータイムの末、2点差で勝利をモノにした。

翌日の3日目、前日の反省を生かしてインテンシティ高く、タフに対戦相手に挑む選手たちの顔つきは変わっていた。日米の違いを感じながらも、選手たちはここでしか得ることができない経験を積もうと食らいついた。その結果、準決勝、決勝を含むすべての試合で勝利。GLOBALLERSが『KICK OFF TOURNAMENT』のチャンピオンに輝き、日本のチームが世界に対して強さを見せる素晴らしい大会となった。

5日目、大会優勝に興奮冷めやらぬ選手たちは今回のアメリカ遠征をサポートしてくれたサン・クロレラUSAを訪問。選手たちの勇姿をたたえGLOBALLERSを歓迎してくれた。選手たちの栄養補給に必要な『クロレラ』のルーツの説明や会社内を案内。加えて、カルフォ ルニアのソウルフードである『タコス』でウェルカムパーティーを開催してくれた。

そして6日目、7日目は、バスケットボールで数々の輝かしい結果を残す強豪高校への留学を見据えた視察を実施。『Bishop Montgomery High School』は、カルフォルニア州のチャンピオンチームとして有名な高校だ。そのチームのヘッドコーチを務めているダグ・ミッチェル氏が学校やバスケットボール施設の案内をしてくれた。ダグ・ミッチェル氏は、「まずはバスケットボールを愛して、バスケットボールに捧げることができる選手しかこのチームに要らない」とバスケットボールに捧げる意志について選手たちへ語った。須田拓はこの言葉に「ケガをしている自分に何ができるのかを考えさせられた」と言い、プレーだけでなく意識にも変化が生まれていた。

続いてカルフォルニアの名門校である『Sierra Canyon High School』では、ヘッドコーチのロック・ピルズベリー氏による学校案内が行われた。ピルズベリー氏が選手たちに「タフさはスキルの一つだ」と語り、その言葉は後の選手たちのチャレンジを後押しする。案内を終えると、ピルベリー氏は、体育館でGLOBALLERSのショーケースを行ってくれた。アメリカ遠征を振り返って、越圭司は「その気持ちの強さが重要だった」と口にした。

8日目は現地コーチによるトレーニングセッションが行われた。そこには、サン・クロレラがスポンサーをしているNBAチーム『Brooklyn Nets』の関係者であるAndi氏とJosh氏がNYから3時間かけ、選手たちを激励に来てくれた。2人からは選手たちに大会優勝のお祝いとともに、多くのNetsグッズのプレゼントがあり、選手たちとコミュニケーションを取った。

中山太氏「『日本は強い』という印象をアメリカで残せた」

その日は、ストリートボールの聖地であるベニスビーチに向かった。本プロジェクトのコーチであるBanglee氏やMARU氏もかつて渡米した際、経験のある思い出の地。足を運ぶと、大会が開催されており、本場のストリートボールを生で観戦。恒岡ケイマンは「どの選手も命がけでアグレッシブにプレーしていたけど、コート外では仲良く楽しく友達のようにしていた」と、タフでハードなプレーをしながらも、常に相手へリスペクトを持つことを見て学んだ。

遠征も終盤に差し掛かる9日目と10日目、選手たちはこの期間で得た学びと受けた言葉を胸に最後の大会に挑んだ。前半の大会よりレベルを上げたU17を対象とした『DEBUT TOURNAMENT』に参戦。この短期間にもかかわらず選手たちの成長は著しく、球際の強さだけでなく、2メートルクラスの選手にも力強いプレーを見せた。さらに積極的にコミュニケーションを取り、掛け声やハイファイブで盛り上がる。良い雰囲気を全員で作っていた様子は印象的だった。

これまでの学びをぶつけるように選手たちは相手の高さやフィジカル、エナジ―に負けまいと、とにかくチャレンジし続けた。その結果、今大会でも見事にチャンピオンへと輝き、公式戦を9戦9勝という素晴らしい結果で終えた。

最後のディナーはピザを頬張りながら、今回サポートしてくれた『サン・クロレラUSA』や日本からのサポートスタッフと楽しく語り合った。このプロジェクトの発起人であるサン・クロレラで代表取締役社長を務める中山太氏は「『日本は強い』という印象をアメリカで残せた自信は、4期生の今後のキャリアにポジティブに影響すると思います」と選手たちのこれからの成長に期待を寄せた。

プロジェクトとしては、来年アメリカへ留学する選手を選考するフェーズに入る。奨学金を獲得し、渡米する選手は現れるのか?この経験は選手たちの成長を後押しする機会となったのは明らかだ。これから彼らが活躍する姿を楽しみにしたい。