スティーブ・カー

「先発なのか、先発でないのかに関係なく全員が役割を受け入れる必要がある」

ウォリアーズは今オフ、将来の殿堂入りが約束されている名ポイントガードのクリス・ポールをトレードで獲得した。38歳となり全盛期からの衰えは隠せないポールだが、抜群のバスケットボールIQに支えられた巧みなゲームメイクで、これまでのウォリアーズにない新たな要素を加えてくれる存在として期待を寄せられている。

ポールの加入によってシーズン開幕までの注目点となっているのが起用法だ。ポールはプロ1年目からこれまで18シーズンにわたるNBAキャリアにおいて不動の先発を務めてきた。一方、ウォリアーズはステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、アンドリュー・ウィギンズ、ドレイモンド・グリーン、ケボン・ルーニーと一昨年にリーグ制覇を果たした不動の先発メンバーが健在だ。だからこそ、ウォリアーズの先発陣が今季どうなるのか、スティーブ・カーヘッドコーチの選択に大きな関心が寄せられている。

だが、指揮官は「基本的に私たちには6人の先発メンバーがいると見ている」と、臨機応変にラインナップを組む考えだ。「どうするかはまだ決めていない。トレーニングを見て、いろいろな組み合わせを試していきたい。もちろん6人全員が多くの時間プレーする予定だ。そして誰か先発なのか、先発でないのかに関係なく全員が役割を受け入れる必要がある。みんなが起用法に納得することで、チームはうまくいく。私は6人のうちの5人をよくわかっているし、クリスとも親しくなっている」

このようにカーは語ると、ポールに関して「クリスはテキストでのメッセージより、電話を好んでいる。彼が昔ながらのタイプの人間であることはいいね。今夏、僕たちは4度か5度、素晴らしい話し合いができた」と続ける。また、指揮官は6人ともにチームの勝利を優先できる選手たちであり、起用法をめぐる不協和音は起こらないと自信を見せる。「彼ら全員が何よりも勝ちたいと思っていることを私はわかっている。彼らは本当に競争心が高い。起用法についてもみんなが納得できる方法を見つけられると確信している」。

ウォリアーズのような人気チームになると、周囲の雑音は非常に大きい。少しでも負けが混むと他チーム以上に粗探しをされる環境にあり、起用法は格好の批判の的となり得る。だが、経験豊富なカーはその対処法を熟知し、チームの結束力に大きな手応えを得ている。