安間志織

母校のメモリアルゲームで安間が躍動

福岡の高校バスケ界を牽引してきた中村学園女子の新体育館が完成し、9月23日にオープニングイベントが開かれた。メモリアルゲームとして、卒業生の安間志織が復帰したトヨタ自動車アンテロープスと、ウインターカップ初優勝時のメンバーである鹿毛美智子さんがヘッドコーチを務める鶴屋百貨店(熊本)が対戦。約200人の小中学生を魅了した。

ゲームは10分間の2クォーター制で行われた。先発した安間は強度の高いディフェンスとゲームメークで味方の得点を演出。高いスキルを随所に披露した。第2クォーター残り4分に自身初得点を挙げると、会場から拍手がおこった。安間は終了間際に3ポイントシュートとバスケット・カウントを決め、トヨタ自動車が54-34で勝利し貫禄を見せた。安間は「ビッグイベントにトヨタ自動車のメンバーとして母校に戻れるということは絶対に他にはない経験だし、人生で一度きりだと思うので感謝しています」と満面の笑みを浮かべた。

試合終了後はクリニックもあり、トヨタ自動車のコーチが子供たちにパスやシュート練習法を伝えた。両チームの選手も混ざって手本を見せた。

安間志織

平岡コーチ「工夫して文化を築いていきたい」

4度のウインターカップ制覇を誇る強豪が体育館の改修に着工したのは2021年夏。現3年生の入学直後だった。グラウンドでの走り込みや市内の廃校となった中学の体育館を借りて1時間ほどの練習しかできない状況が続いた。部員は移動後すぐに練習を始められるよう、始業前や昼休みの時間を活用して準備を進めていたという。平岡雅司コーチは「生徒や保護者の方々が我慢して、協力してくれた。上級生を中心に朝や休み時間を効率よく使ってくれた」と振り返る。

公式戦でも苦戦が続いた。福岡大若葉や精華女子、東海大福岡の強化が進み、2016年を最後にウインターカップの切符をつかめていない。「この3年間で実質、いろんな文化が消えたという事実はあります。それでも失われていないのは姿勢や心。生徒の生真面目さは失われていません。新しい体育館でまた細かいことを積み重ねて、工夫して文化を築いていきたい」と、平岡コーチは前を向く。

新体育館は5月に完成。3階建てで空調も完備。全国屈指の強豪の剣道部や新体操部が使用する武道場、サブアリーナにトレーニングルームなども備えている。チームキャプテンの松園彩佑は「ガラス張りの建物で他の部の活動も見えるので互いに頑張らないと。高め合えます」と声を弾ませた。

ゲームキャプテンの橋本朱星は「体育館が完成して『うわっ』と驚くほどきれいでした。今までは満足できる練習ができなかったけど、自分たちのやりたかった練習ができるようになってうれしいです」と目を輝かせた。

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