ケビン・ポーターJr.

ロケッツの主力に定着するも、精神面の未熟さは相変わらず

ロケッツのケビン・ポーターJr.が暴行容疑で逮捕された。現地9月11日の早朝、ニューヨークのホテルで恋人に暴行を振るい、大ケガを負った女性は病院に搬送されている。ポーターJr.は暴行したことを認め、火曜に保釈された。

ポーターJr.はこれまで多くの問題を起こしてきたトラブルメーカーだ。大学時代から素行の悪い選手とのレッテルを貼られ、ルーキーシーズンにはキャバリアーズで結果を残すも、チームメートやコーチと衝突したために1年で放出されている。

そんな彼に救いの手を差し伸べたのはロケッツだった。ジェームズ・ハーデン退団後のチームに加わった彼は、2020-21シーズンの後半戦だけで16.6得点を記録。シーズン終盤にはバックスを相手に50得点を挙げてもいる。3年目の昨シーズンにはチームで最も長い34.3分のプレータイムを得て、ジェイレン・グリーンに次ぐチーム2位の19.2得点を挙げている。

スコアラーとしての実力は間違いないが、精神面の未熟さは相変わらず。ロケッツでの2年目にはハーフタイムにヘッドコーチと口論し、そのままアリーナを去ってしまい出場停止処分を受けている。その他にも、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのルールを無視して夜遊びに繰り出して罰金処分を受けるなど、数々のトラブルを引き起こした。

昨年10月にロケッツは彼に4年最大8250万ドル(約120億円)の新契約を提示したが、保証されたのは4年契約の最初の1年のみ。オフコートでの問題が続くようであれば、いつでも解雇できる『保険』をかけたのだ。ポーターJr.はこの不本意な条件を、「ロケッツは僕の人生を救ってくれた」として受け入れた。だが、今回のような事件が起きれば、ロケッツの『保険』は意味があったと言えるだろう。

10月に裁判が行われるが、ポーターJr.はそれはプレシーズンの時期であり、その直後にシーズンが開幕する。ロケッツは今のところ「情報収集している」とのみコメントしているが、今回は我慢しきれないはず。今シーズン以降の契約は無保証で、いつでもポーターJr.を解雇できる。

スター選手になれる実力を持つポーターJr.だが、そのキャリアは再び暗礁に乗り上げることになりそうだ。

https://youtu.be/0H-LJHX6_jM?si=4NQys2MF0j1adZ1j