ロースコアの苦しい展開を耐えてつかんだ勝利
第94回天皇杯、千葉ジェッツと栃木ブレックスの決勝は、延長戦にもつれる熱戦を千葉が制し、大会3連覇を成し遂げた。
それでも千葉にとっては、試合序盤から苦しい展開が長く続いた。司令塔にしてスコアラーの富樫勇樹が栃木のタフなディフェンスにアタックを封じられ、シュートを打つ機会もなかなか得られない状況、第4クォーターの40分間でフィールドゴール7本中成功ゼロの無得点と沈黙。アシスト10でチームに貢献してはいたが、シュートが入らないとドライブからパスの展開も威力が半減し、千葉にとっては大きなブレーキとなっていた。
ライアン・ロシターとジェフ・ギブスにゴール下を支配されて栃木に先行を許し、ギブスの守備範囲の外、ミドルレンジからジョシュ・ダンカンのジャンプシュートで何とか付いていく状況。1桁のビハインドで推移してはいても、ロースコアの展開は栃木の得意とするところで、千葉としては粘ってはいても勝機を見いだせなかった。
第4クォーター以降はほとんどの時間帯で1ポゼッション差のままリードチェンジを繰り返す。第4クォーター残り42秒に渡邉裕規がアキ・チェンバースの速攻を強引に止めてアンスポーツマンライクファウルを宣告されて試合は決したかに思われたが、これで集中を途切れさせることなく千葉の攻めを守り切り、試合は延長戦へともつれた。
延長戦も一進一退の攻防。ギブスがファウルアウトして千葉が優位に立ったかと思えば、直後にダンカンも個人ファウル5つで退場となり、差がつかない。残り17秒でロシターが得たフリースロー2本を沈めて69-68と逆転。ここを守り切れば栃木の優勝という最後の攻めで、千葉はエースにボールを託す。
富樫は延長に入って初得点を決めていたが、そこまでシュート10本を放って1本成功のみ。それでも富樫は迷わずに3ポイントシュートを放ち、これが決まって決勝点となった。「シュートタッチはこの試合良くなかったので迷ったところはあったんですけど、目の前が空いたので思い切った打ちました。入ってくれて良かったです」と富樫は語る。
富樫の不調を全員で繋いだ45分間の最後に、エースは大仕事をやってのけた。これで千葉は天皇杯3連覇。ファイナルラウンドに入って川崎ブレイブサンダース、アルバルク東京、栃木ブレックスと、優勝候補を次々撃破しての優勝には大きな価値があると言っていいだろう。
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— 日本バスケットボール協会(JBA) (@JAPANBASKETBALL) 2019年1月13日
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